美女と美男……という野獣 (ページ15)

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Bell 15 ページ15

大我side

少し、周りの奴らが優美を見ていたから不機嫌になった。

だから、強引に優美の手を引き、電車に乗った。

隣で、優美がうるさく質問してくるけどそんなの無視。

まあ、けどさすがに電車に乗ったら目の前で怒ったように質問された。

だから、目を逸らして窓の外を見つめ、内緒。とだけ伝えた。

すると、もう何を聞いても無理だと思ったのか質問をやめた。

挙げ句に眠たいとか言って、寝やがった。

少しばかり、その気まぐれさに呆れていたら肩に重みがした。

肩を見ると、すぐ近くに優美の顔が……

ードキンッ

胸が高鳴った。

きめ細やかな肌。陶器のように白い肌。

セットされた明るい茶髪に、僅かに開いた真紅色の唇。

長い睫毛。パーカーの隙間から見える息を呑む程に綺麗な鎖骨。

全てが俺を虜にする。

出逢ったときは、全然気にすることはなかったけれど

今では、他の奴らに嫉妬するくらいに

優美に夢中になってる。

けれど、臆病な俺は

素直に想いを

口にすることもできない。

まるで、幼い頃に見た

ディズニー映画の『美女と野獣』だ。

優美は、村一番の美女・ベル。

俺は、臆病者の野獣・ビースト。

まぁ……でも、俺の想いに君は気づいてないだろう。

それに……こんな俺の恋が叶うわけない。