数学科の重岡です。【S.Daiki】

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「そーいえばAさぁ」



「…はい？」



「進路決まってん？」



「へ、…あー…。」



何も決めてませんでした。

そう思いながら重岡先生の影を見つめた



「…なーんも決めてないんですよね、」



「え、笑

まぁ急かすつもりもないけど考えてないってのもなかなかやな笑」



「…まぁ、決めなあかんのはわかってるんですけどねぇ…」



未来よりもあなたといる今

それじゃだめですか？


なんて考えてしまう私は十分重症だろうな。




「もうすぐ進路希望調査あるからさ、

なんとなーくでええから、短大か四年制大学か、それだけでもええから決めときや」



といつになく真面目な重岡先生が言ってくれた。


夢も何も無いんだけど。


「…あ、ここで大丈夫です」



目的の倉庫まで着いて無事に荷物を運び終えた



「ありがとうございました。」


「ええよそんなん笑

じゃ、またな」



「…っ、先生」



あっさりすぎる別れに戸惑いつつ特に用もないのに呼び止めてしまった。



振り返る重岡先生。



でも、次いつ話せるんだろう。
また私だけ変に気を使って話せない日が続くんだろうか。



なんて戸惑ってると重岡先生は優しく微笑んだ。



「また明日、な。」



って全てを見透かしたように微笑んで手を振ってくれた。



「…また、…明日。」




また明日、明日あなたに会える。


それこそが今は大切にするべきものなんだ


そう思うと「また明日」という一言にどうしようもなく胸がぎゅーっとなった。

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