episode148 ページ32
貴「…お前」
貴くんがやれって言ったのに、なんで驚いてんのよ。
「貴くんがやれって言ったんでしょ？」
貴「…もー！」
貴くんは怒ったのか照れたのか布団を顔まで持ってきて隠した。
「やだった…？」
貴「嫌じゃないけど…熱移しちゃったかも…」
「大丈夫だよ…私馬鹿だから風邪ひかないよ」
貴くんは布団に潜ったまま言った。
貴「馬鹿でもなるの！」
「あ…はい。」
なんで私説教されてるの…？
貴くんは小さな消えそうな声で言った。
貴「…有岡になにもされてない？」
大貴くん…？
「…？されてないよ？」
貴「俺…考えてもわかんない…。A泣かせるようなことしたって覚えがない…」
この前のこと…だよね？
私がただ嫉妬しただけなのに…。
「もういいよ…？大丈夫だよ」
貴「…よくない。何したの？俺」
きっと言ったらびっくりするよね…。
そんな事かよって…。
「いや…でも大丈夫だよ…」
私がそう言うと貴くんは布団から出てきた。
ベットに座ると貴くんは私の両手をギュッと握った。
「…熱いよ貴くん…」
熱が高いのか手が熱い…。
貴「…言ってよ。有岡だけ知ってんのに俺が知らないとかムカつくし…」
「それって…やきもち？」
貴「うるさい。早く言えよ…」
「…し、嫉妬したの…」
貴「…は？」
「りな…貴くんの事好きなんだもん…」
貴「…そんなわけ」
「あるんだもん…貴くん気づかないの？」
「貴くんかっこいいもん…みんな好きになっちゃう」
なんか悔しくなって涙が出そうになる。
泣かない…
そう思って唇をギュッと噛んだ。
貴「でも…俺が好きなのはAだよ？」
そんなの…っ…
「わかってるよ…っでも」
貴くんは繋いでた手を引っ張って抱きしめた。
貴「ごめんね…次会った時にちゃんと言うから」
「もう…会って欲しくない」
貴「分かった…」
「貴くん…っ！私もごめんなさい…っ」
貴「ん…」
「うぅーっ…」
やだ…泣かないもん。
貴「ほんとに泣き虫だね…」
「まだ…っ泣いてないもんっ」
貴「俺の前だったら我慢しないで泣いていいよ」
「ぅっ…なにそれぇっ…」
もう涙腺が崩壊して涙が止まらなくなった。
抱きしめられてる時に思った。
やっぱり私…貴くんじゃなきゃだめなんだ…
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作者名：かずみ | 作者ホームページ：http://kazumidaikilove415
作成日時：2017年11月19日 17時
