episode145 ページ29
大貴くんは考え込んでから…
大「それが…分からないんだよね…」
「貴くん…なにかあったのかな？」
大「すごい心配なんだけど…俺が電話するのもあれかなって…あんなこと言っちゃったし。」
あの時の…。
「私が…」
大「…ん？」
「私が電話するよ…っ」
大「そうだね…！」
「私が電話してちゃんと仲直りする。」
私は貴くんが好きだから…。
貴くんしかいないから。
大「ん」
「ありがとう！大貴くん！」
大「おう。がんばれよー」
。
。
。
でも、今の時刻は…
「1時…は遅すぎるよね。」
明日は土曜日だから朝電話しよ。
そう思い眠りについた。
次の日のお昼。
確か今日は貴くんオフだったはず…。
お昼なら起きてるよね…？
そう思い貴くんに電話をかけた。
「…でない。」
何コールかしたけど貴くんはでない。
やっぱり私と話したくもなくなっちゃったかな…？
溢れそうな涙を堪えるために下唇をギュッと噛んだ。
その時だった。
携帯が震えだしてディスプレイを見ると貴くんの文字がでた。
「っ…！」
急いで手に取って耳に当てる。
貴「…なに」
聞いたらわかる。
すごく低い声…。まるで怒ってるみたい。
「あ…の。なんか…」
伝えたいことがあるはずなのに口から出てこない。
貴「はぁ…用ないなら切るね。」
「まって…っ！あの…」
貴「…なんだよ」
なんで…？
なんでそんなに冷たいの？
私はもういいの…？
でもその言葉を言ったならまた喧嘩になる。
だから大貴くんに言われたことについて聞いた。
「大丈夫…？なにかあったの…？」
貴「…なにが。なにもないけど」
なんだか…だるそうな声。
早く電話を切りたいっていうのが伝わってくる。
「事務所行ってないんでしょ？なにかあったの？」
貴「なにもねーよ。じゃあな」
「っ…ぁ！」
分かったよ…。
切られる前に聞こえてきた…ケホッていう貴くんの咳。
もしかしたら。
「熱がある…？」
だとしたら…貴くんは心細いはず。
私は必要なものをカバンに詰め込むと急いで家を飛び出した。
お金は最近給料日だったから大丈夫。
「はぁっ…はぁ」
いつぶりだろう…こんなに走るのは。
駅まで走ってそこからは新幹線に乗って東京へ向かった______________。
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作者名：かずみ | 作者ホームページ：http://kazumidaikilove415
作成日時：2017年11月19日 17時
