検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:34,850 hit

ページ3

一目惚れだった。



“大和撫子”

“立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花”



そういう言葉が似合う女性だ。









夕餉の後、A殿は布団を敷いたり、怪我の手当てをしてくれた。

「あまりひどい傷はないですね。良かった」

グルグルと包帯が巻かれていく。

「明日お医者様が来てちゃんと診てくれます。今日はもうお休みください」

「うむ! ありがとう!」

「いえいえ。では、お休みなさい」

彼女が部屋を出て行く。

傷を庇うように布団に寝転がり、ふぅ……と息を吐いた。

思った以上に俺の体は疲れていたらしく、すぐに眠ってしまった。









「おはようございます。朝ですよ」

「……嗚呼、おはよう」

「朝餉をお持ちしました。今日はさつまいもご飯です」

「……む! わっしょい!」

煉獄さんの部屋に行くと、彼は布団から出ていたものの、寝ぼけ眼といった感じだった。

それなのに、さつまいもと聞いた途端覚醒した。

まだ食べていないのにわっしょいって……。

「隊服は洗っておきました。それと、今日の分のお着物です。もう少ししたらお医者様が来ますからね」









「骨折もしてないし、的確に処置がされていますね。あと5日程休んだら任務に復帰できると思います」

お医者様はそう言ったが、煉獄さんは3日経った今日、ほぼ完治していた。

「早すぎませんか……」

私がそう言って苦笑いした時、バサバサッと大きな羽音を立てて鴉がやってきた。

「カァアア! 北北東ノ村ヘ向カエェェ!」

煉獄さんは指令を聞くと、てきぱきと荷物をまとめ始めた。

彼の支度が終わるのを待ち、私や両親と姉も見送りのために家の前まで出た。

父が「ご武運をお祈りします」と言い、切り火をする。

……やっぱり太陽の下で見ると、一層綺麗な人。

髪も瞳も、煉獄さんの人柄を表しているようだ。

「どうかご無事で」

私がそう声を掛けると、煉獄さんはこちらに寄ってきて

「……ではこの任務が終わったら君に手紙を送ろう」

と、珍しく音量を抑えて言った。

次の瞬間にはいつも通り元気の良い煉獄さんに戻っていて、急ぎ足で北北東へ向かっていった。

参→←壱



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
69人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

長篠(プロフ) - もっぴいさん» ありがとうございます!もう少ししたら続きを公開するので楽しみにしていて下さい(^^) (2019年12月2日 21時) (レス) id: dff0e36449 (このIDを非表示/違反報告)
もっぴい - 転生者ですか?とっても面白かったので評価10つけときます^_^ (2019年12月2日 21時) (レス) id: 1e3d085ec9 (このIDを非表示/違反報告)
長篠(プロフ) - 鬼滅大好き女さん» あ〜〜ありがとうございます!!すごく嬉しいです!更新頑張ります! (2019年11月25日 17時) (レス) id: dff0e36449 (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅大好き女 - 続きが楽しみすぎる!!れんごくさんの手紙の場所で私泣いた、、、応援してます!! (2019年11月25日 16時) (レス) id: 42353d0864 (このIDを非表示/違反報告)
長篠(プロフ) - 竜胆友さん» ありがとうございます!更新頑張ります! (2019年11月20日 19時) (レス) id: dff0e36449 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:長篠 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/HoMePaGe/  
作成日時:2019年11月3日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。