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看病3* ページ19

健くんが起きるまで何をすれば
いいのかわからなかったから
取り敢えず健くんの隣に座る。
冷却シートを額に貼ってあげて…
汗ばむ腕を拭いてあげて…
唸ったら手を握ってあげて…

A「………」

まるで彼女じゃん。
自分で行動しておいて恥ずかしくなる。

健二郎「ぅう……」

目をぎゅっと瞑った健くん。
眩しいのかな、と思いカーテンをしめる。
すると健くんは安らかになった。

A「……」

そろそろお昼ご飯の準備をしよう。
病人といえば看病。看病と言えばおかゆ。
勝手なイメージのままおかゆ作りにとりかかる。

A「…」

さて。作り方がわからない。
ケータイでおかゆの作り方を調べるけど
大体は元気な人が食べる手の混んだおかゆだ。

A「消化に悪いでしょ!?もーー!!」

サイトに文句を言ってみるけど
しーんと静まる部屋の空気を感じ取って
一人で反省する。
スクロールしていくとやっと病人の健くんでも
食べれそうなおかゆの作り方が。
随分ノーマルだが初心者の私には丁度いい。

A「米が必要なのか。鍋もいるのか。出汁ってなんだ。」

サイトの作り方通りに作ってみる。
見た目はまぁまぁ大丈夫。
問題の味は…

A「……」

毒味のように一口摘んでみる。
………母の味に近かった。
懐かしい…実家を思わせる感じ。
多分自分が風邪をひいたときに
母が作ってくれていたからであろう。
一人で満足して健くんの眠っている寝室に向かう。

A「起きてる……?」

覗いてみると僅かに目を開いた健くん。
私を見つけて少しはにかむ。

健二郎「……おはよ」
A「体調は??大丈夫??」
健二郎「わかれへん」
A「なにそれw おかゆ……食べれる??」
健二郎「ん。」

体を起こした健くん。
サイドテーブルにおかゆを置いて
私は近くにあったイスに座る。

A「美味しいかはわかれへんけど……一人で食べれる??」
健二郎「あーん。」
A「え…//」
健二郎「ん!!」

口を開けて私を見つめる健くん。
仕方なくスプーンにおかゆをすくう。

A「ふー…ふー………はい」
健二郎「あーーーーー……」
A「ん」
健二郎「……」

もぐもぐする健くんの反応を伺う。
なんだろう。すごく可愛い。

健二郎「うまいで。普通に。」
A「よかったぁ……お腹痛くならないでね」
健二郎「それはわかれへんw」
A「はい次!」

黙々と食べ進める健くん。
食欲が戻るまで回復した、ってことだから
私はすごく安心した。

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作者名:相川優羅 | 作成日時:2017年2月12日 21時

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