ブルーの一雫

・ ページ4

＿＿＿＿＿＿





「…」


ネスくんは無言のまま俺に大人のキスをしてきた



苦しくて離れようとしても頭を抑えられ離れられない



『んっ…はっ…ねすくっ…』

頭が真っ白になる

自然と涙目になってきて視界が少し歪んで見える



「はっ…キハルいいですか？僕は今怒っているんですよ」

「何に対しての怒りか分かりますか？」



『はぁ…はぁ……』



つぅっと１筋の涙が俺の頬を伝う
その涙をネスくんは俺よりも大きな手で拭う



「答えて」


何に対しての怒りか…分からない…何に怒ってるんだろう？




ネスくんの瞳は俺を囚えて離さないんだ

ネスくんの怒りに包まれたその瞳で見られるのは好きじゃないな




やだな、ネスくんのその瞳も…

こんなにも弱くて…ネスくんに迷惑ばっかかけてる俺も






『わかんないよ…』




ボロボロを涙が溢れ出し布団を濡らす





「決して貴方に泣いてほしかった訳では無かったのですがね」


「少々怖がらせ過ぎてしまいましたか」




そういつも通りのなにを考えているのか分からない顔に戻った


と、思った瞬間


ネスくんに抱きしめられた





「僕は貴方が自分の身体を傷付けた事に怒っています」


「そして、そうなるまで抱え込ませてしまった自分にも」


「キハルとはここ最近あまり一緒には居れなかったですもんね」




そう言うネスくんの瞳に怒りはもう感じなくなくなった




「夜ご飯等も断ってしまっていましたし」


「寂しかったですか？」




そう、少し微笑みながら俺の目を見て話す彼


『うん』



いつの間にか涙も枯れていた




＿＿＿＿＿＿＿＿

・→←微✖

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す