長編3 ページ12
鈍臭い音が静かなリンクに響いた。
「痛ｯたぁ...」
どうやら私は足を捻ったみたいだった。
『ちょっと...大丈夫？？』
彼はテンパりながら声をかけてきた。
恥ずかしい...あぁ、恥ずかしい。
「あはは(笑)全然大丈夫ですよ。こんなのいつものこと...ｯッ！！」
笑って誤魔化して、咄嗟に立ち上がろうとした。
でも、捻ったところが想像よりも痛くてバランスを崩した。
『あっ。...っと、立てますか？ぼ、僕の肩につかまって下さい。』
彼は戸惑いつつ、そう言うと少し屈んで肩を貸してくれた。
申し訳ないと思いながらも、あまりの痛さに耐えきれず、私は彼の親切に甘えることにした。
「すみません...」
私は彼の肩を一旦借りながらリンクから出た。
彼は私をベンチに座らせると、心配そうにこちらを見ている。
『なんかごめんなさい...僕が口出したからこんなことになってしまって...』
「いやいや！謝らないでください。私が調子に乗って失敗しただけですから(笑)」
そう私が笑いながら言うと、少し安心したのか彼も隣のベンチに腰掛けた。
「それより、物凄く上手なんですね。スケート。」
『あぁ、ありがとうございます。でも、僕なんかまだまだです。』
また一瞬キョトンとしたけど、すぐに笑って言った。
『いつもここで滑っているんですか？』
「はい。ここが出来た頃からなので、かれこれもう10年以上ここに通っては1人で滑ってますよ(笑)」
『10年以上！？それ僕とあんまり変わらないですスケート歴(笑)』
「え、今いくつなんですか？」
『僕は、今18です。』
「18！あ、私は17です。」
『一個違いなんですね。なんか話しやすい訳だ。』
彼は話せば話すほど、柔らかい笑顔を見せてくれていた。
つられて私も自然と笑顔になれた。
初対面のはずなのに何故か話すのが気まずくなかった。
何より凄く懐かしい感覚というのか安心感というのか...とにかく温かい気持ちになった。
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あきぽん(プロフ) - ゃんゃんさん» 嬉しいコメントありがとうございます。 (2018年4月3日 11時) (
レス) id: 5f064eef17 (このIDを非表示/違反報告)
ゃんゃん - 宇野くんの特徴を掴んでる！って感じですね^^ (2018年4月3日 0時) (レス) id: 3747216fb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきぽん | 作成日時：2018年4月2日 21時
