深澤さんちの九人兄弟 (ページ10)

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□三男ページ10

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　───ピピピピ…ッ

翔「〜、うっせぇ…｣

世界一嫌いな音、平日のアラーム音。バシッと勢いよくアラームを止めて身体を起こす。

ベッドの上で暫くぼーっとしていたら、ノックにしてはかなり下手くそで控えめな音が聞こえてきた。返事をするのも面倒でドアを見つめていたらゆっくりと開く

真「しょーちゃぁん…あしゃよ〜｣

翔「ぶふっ！…起きてるよ、真都｣

照「ありゃ起きてたか｣

起こしに来てくれたのは五男の照と末っ子の真都。朝は低血圧だから基本的には一人にしてほしいけど、末っ子が可愛く起こしに来てくれるなら話は別だ。

照に抱っこされていた真都は一度床に降りて、てちてちとこちらに走ってくる。ふにゃふにゃの笑顔で今度は俺に“だっこぉ！”と朝から甘えん坊。

照「朝ご飯出来るから降りて来いって｣

翔「おー。照も真都もありがとな｣

真「きゃはっ｣

真都を抱いたまま照の後ろを歩いて階段を降りていく。ふわっと香ったのは香ばしいベーコンの香り。双子の弟、四男の涼太が毎朝作ってくれる朝ご飯ほど美味いものはないと思っている。涼太が作る飯はなんでも美味いけど。

涼「翔太おはよ｣

亮「おはよう、兄さん〜。…あ〜こら、蓮〜溢れてるよ！｣

辰「この子、寝ながら食べてるよ…｣

蓮「んにゃ…｣

亮「れん〜起きて〜！｣

康「蓮くん相変わらずお寝坊やなあ｣

真「あ！まい、れんくんのとなりっ｣

翔「おわ〜降ろしてやるから暴れんなって｣

朝から賑やかな家だな…やっぱり大介は起きてない。

俺の腕の中にいた真都は寝ながら食ってる蓮の隣がいいとジタバタ。蓮の隣の席に座らせてやるとご満悦の表情。

一番歳の近い兄ちゃんだからか、真都は最近蓮にべったりだった。蓮も初めての弟だからかなり真都を溺愛してる。

そんな二人があまりにも可愛くていつも癒されてるんだよな

真「いてらしゃ〜い！｣

蓮「しょうちゃん、ばいばあい｣

翔「ん、いってきます｣

小さい手を振って見送ってくれるチビ二人の頭を撫で家を出る。俺が働いている図書館は家から近くて助かる。忘れ物があってもすぐに取りに帰れるし、帰りも退勤したら秒で帰宅出来る(ちょっと盛ってる)

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