深澤さんちの九人兄弟 (ページ7)

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こんな風に恋愛相談とかされることも多い。別に恋愛マスターとかではないし、たいしたアドバイスも出来ないが生徒たちはみんなスッキリしたー！って帰っていくのだ。

一度生活指導の先生に生徒との距離感について指摘されたことがあるけど…このままでも良いかな〜って俺は思う。俺にしか話せない悩みもあるだろうしね。

　───コンコン

辰「はーい｣

「ふっか先生！康二が！｣

辰「え｣

康「た、たつにい〜…｣

辰「おわ！おま、…鼻血？｣

「コイツ、女子庇って顔面でボール受けちゃったんだよ。それで鼻血止まらなくて…｣

辰「うーわ、マジか。付き添いありがとね｣

「康二、俺戻るから！無理すんなよ！｣

康「おん…ありがとうな〜…｣

辰「とりあえず新しいティッシュな。鼻に詰めとけ。今アイスノン持ってくるから｣

康「ごめん、たつにい…仕事の邪魔して…｣

辰「いやいや、これが仕事だから。気遣わなくていいよ｣

クラスメイトに連れられてやってきた血だらけの弟、康二。兄弟で同じ高校にいるのは別に珍しくはないし、他の先生や生徒たちも知っている。

だからと言って特別扱いとかそういうのは無いけど、実の弟だから心配なのは心配だ

鼻にティッシュを詰めさせて、血が付いた手を洗わせる。冷凍庫からアイスノンを出して首の後ろを冷やすように言うと、思ったよりも冷たかったのか目をぎゅっとさせるから可愛くて思わず笑ってしまう

辰「つーか、クラスメイトの前では“深澤先生”って呼べよ？｣

康「あっ、そうやった…でも、辰兄は辰兄やから…癖で呼んでしまうんよ〜｣

辰「まあ…いいけどね、別に｣

そんな事があってから、康二のクラスメイトとすれ違うと“辰兄”って呼ばれるようになってしまったのはまた別の話。

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