深澤さんちの九人兄弟 (ページ18)

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□七男ページ18

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「きりーつ、れーい」

さよ〜なら、とバラバラの挨拶。今日は掃除当番も無く、部活も無いので学校を出て真っ直ぐ帰るつもりだ

クラスメイトに挨拶をして教室を出る。そのまま階段を下って保健室の前を通って、ドアのガラスの部分から中をちらっと覗く。ちょうど顔を上げた辰兄に手を振って、俺は学校を出た。

弟の蓮は毎日学童に通っている。蓮の小学校が終わる時間は大体まだ兄たちは仕事をしていて、家に一人で居させるのはちょっと…ってことだった。

だから俺が部活終わって迎えに行ったり、亮平くんや照兄が大学終わってそのまま迎えに行ってくれたり。

康「蓮く〜ん！お迎えきたで〜」

蓮「あっ、こうちゃん！」

康「走ったら危ないで！ゆっくり準備してき？」

蓮「うんっ」

いつもより早い時間のお迎えが嬉しかったのか、ニコニコしながらこちらに走ってくるのを宥める。マイペースな蓮くんはゆっくりと帰りの支度をして、学童の先生や友達たちに手を振っていた

蓮「こうちゃん、きょうはやいねえ」

康「そうやねん！部活が無かったから飛んで来ちゃった！」

蓮「んふふふ〜！うれしい！」

康「かわええな〜」

まだ自分の身体よりも大きく見える黒いランドセルを背負っている姿がとても愛おしい。俺もこんな感じだったんかなあ…蓮と手を繋いで、今日は少しだけ遠回りして家に帰った

康「れん〜、歯磨きした？」

蓮「した！」

康「よし、じゃあ寝よか〜」

まだ一人の部屋がない蓮は毎晩俺と一緒に寝ている。ベッドに二人で入って向かい合わせになって暫く小さな声でお話。今日楽しかったこと、明日やりたいことを蓮は一生懸命お話してくれるからとても癒される。

蓮「…こおちゃ…おやすみ…」

康「ん、おやすみ」

目を閉じた蓮の身体を一定のリズムで叩くとすぐに寝息が聞こえてくる。そっと頭を撫でて俺も眠りに落ちた

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