深澤さんちの九人兄弟 (ページ17)

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「すげー！深澤も行くっしょ？」

亮「俺は…」

浮かんだのは兄弟たちの顔だった。ただでさえ学費の面で迷惑かけてるのに修学旅行なんて行ったら…それに、蓮も真都もまだ小さいし…

辰「亮平、大丈夫？」

亮「え？」

辰「さっきからずっとぼーっとしてるけど」

亮「…ああ…大丈夫。ごめん、お風呂入ってくる…」

辰「何か不安なことでもある？」

亮「……………」

辰「…まあ、無理には聞かないけどさ。悩んでるのがお金のことだったら気にしなくていいからな」

亮「…え」

辰「ごめん、さっき部屋のドア空いてて机の上にあったプリント見ちゃった」

ごめんなって顔の前で手を合わせる辰哉兄さん。勝手に部屋入るとかデリカシー無さすぎでしょ…と思ったけど、それを怒る気にもならなかった

辰「いいじゃん、海外。それに成績上位の奴しか行けないんだろ？すげーじゃん」

亮「…でも、本当にお金かかるし…学費で迷惑かけてるのに…」

辰「迷惑じゃないって。俺たち家族じゃん。弟たちがやりたいことはなんでもやらせてあげたいんだ」

そう言って笑う兄さんは本当に頼もしくてかっこいいと思う。父さんと母さんが死んでしまって、どうしたらいいか分からなくなった時も、辰哉兄さんは俺たちを必死に守ってくれたし、支えてくれた。

蓮「…りょーへいくんっ、おふろはいろう？」

真「まいもっ」

辰「蓮ちゃん〜まい〜…今、兄ちゃんたち大事な話してるからな…」

亮「………」

さっきまでの俺だったら、辰哉兄さんの話を聞いて行きたいってすぐに言ってたかもしれないけど…蓮と真都の顔を見たらそんなのどうでも良くなっちゃった

亮「兄さん、俺行かない！」

辰「え、なんで？」

亮「だって…蓮と真都と離れるとか無理だもん」

辰「……そういうこと…？ブラコンかよ…」

亮「お互い様でしょ」

二人だけじゃなくて、一週間も兄弟たちと離れるとか考えられないし。そう言ったら辰哉兄さんは少しだけ驚いた顔をしてから、フッと優しく笑って俺の頭を乱暴に撫でた

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