深澤さんちの九人兄弟 (ページ16)

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□六男ページ16

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目覚まし時計より早く起きれた日は気持ちが良い。あくびを噛み締めて、少しだけベッドの上でぼーっとする。カーテンを開けて朝の光をしっかりと浴びて部屋を出る

隣の部屋の扉を小さくノックして、返事が無いことを確認。まあいつものことなんだけどね

亮「康二、蓮、朝だよ」

康「…ん〜……あとごふん…」

亮「って言っていつも10分寝てるじゃん」

寝言のようにそう言った康二と、その隣でぷうぷうと控えめな寝息を立てる蓮。弟ながら朝から完成されているなと思う。蓮は近所のおばさまからも大人気だ

まだ起きそうにない蓮のふわふわのほっぺたを指で暫く突いて居たら、モゾモゾと康二が先に身体を起こす

亮「おはよ」

康「おはよお、りょうへいくん…」

亮「蓮、ピクリともしないね」

康「れんちゃーん…起きよう〜。学校遅刻すんでえ」

蓮「んむぅ…」

亮「ご飯食べよう、蓮」

蓮「んん〜…」

寝起きがあまり良くない蓮を康二と一緒に起こす。少しだけぐずった後、むくりと起き上がってちいさな声で“おはよお”と眠そうに笑った

亮「忘れ物ない？」

蓮「ないっ」

涼「蓮、ハンカチ持った？」

蓮「あ！」

亮「言ったそばから…」

蓮を登校班の集合場所まで見送って、俺は大学へ向かう。
大学にはそれなりに友達はいるけど、俺は極度の勉強オタクなもんだから勉強をするのが楽しくて通っている

それを兄さんたちに言ったら、同じ血が流れてるのになんでだろう…って不思議がってたな。父さんが頭の良い人だったから俺もそうなりたいって思ってたんだ

「あ、深澤。おはよう」

亮「おはよ。なんか騒がしいね」

「そうそう。なんか、修学旅行の話で盛り上がっててさ」

亮「修学旅行って行きたい人だけ行くんじゃなかった？」

「それが、今年は成績上位の人だけ行ける権利があるんだって」

亮「え、そうなんだ」

自慢ではないが、成績は結構良い方だった。そんな話をしていたら、お世話になっている教授が来て俺と友達に一枚のプリントを渡してくる

“修学旅行について”と書かれたプリントだった。行き先は海外で一週間。ほぼ自由行動で、宿泊先は俺なんかが一生泊まれそうにないホテルだった。

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