深澤さんちの九人兄弟 (ページ11)

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俺がこの仕事に就いた理由は、国家資格だったから。

大学でお世話になった教授に“国家資格さえ持っていれば将来安泰だよ”と言われて、死ぬほど勉強して受かった国試。

他に選択肢はあったけど、マイペースな俺には合ってるかなって

「今日、午後から雨らしいよ〜｣

「え〜マジ？｣

そんな会話を小耳に挟みつつ仕事をする

…そういや、朝食食ってた時に亮平が“午後から天気崩れるみたいだよ”って言ってたな…

鞄の中を一応見てみたけど、折りたたみ傘が入ってるわけもなく。まあ、家近いしいいか…まあ、あくまでも予報だし…

こういう時に限って、予報は当たってしまう

康「翔兄〜｣

翔「…康二、亮平｣

亮「兄さんの傘持ってきた。一緒に帰ろう｣

翔「マジか！ありがとうな〜｣

学校終わりの亮平と康二が俺の傘を持って来てくれたみたいだった。うちの弟たち出来すぎだな…

そのあと、時間になったので心苦しかったか残っている利用者たちに声を掛けて雨の中帰ってもらい、亮平と康二には残りの仕事が終わるまで中で座って待ってもらう事になった

翔「ごめんな。お待たせ｣

亮「ねえ、明日この本借りにきても良い？｣

翔「お、おう…いいけど｣

康「亮平くん、ホンマに本好きよな〜｣

亮平から傘を受け取って図書館を出る事に。相変わらず雨は降り続いていて、さっきよりも少し強くなっているような気がした。

家は近いから帰ろうと思えば濡れて帰れたけど、弟たちからの好意が嬉しくて思わず頬が緩む

亮「あ、あれ…照と蓮じゃない？｣

康「ホンマや！照兄〜！蓮ちゃーん！｣

蓮「あ！こーちゃん！｣

照「亮平に翔太もいるじゃん。どうしたの？｣

亮「翔太兄さん迎えに行ってた。二人は買い物？｣

照「そうそう。涼太兄さんに頼まれてね｣

蓮「おつかいしたの！きょうね、れんのすきなぐらたん！｣

亮「良かったねえ｣

康「蓮ちゃんグラタン大好きやもんなあ｣

蓮が一生懸命持っている荷物を貰って、俺たちは家路を急いだ。そうか、今日は涼太休みだから出来立てのグラタンが食えるんだな…

いつもは一人の帰り道だけど、こんな賑やかな日があってもいいなと思った平日の夕方。

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図書館司書のお仕事
あんまり詳しくなかったので
設定ガバガバですみません…！