◎渡辺くんはいつも不機嫌

□渡辺くんと告白 ページ6

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「好きです、」




可愛らしい声が聞こえてハッと足を止める。これってもしかして、告白現場というやつでは？思わず建物の影に隠れて身を潜める。



…が、やはり気になってしまって、ひょこ、と顔を少し出して様子を窺ってみると、




渡「ごめん」




たった一言、そう言った渡辺くん。女の子は少しだけ俯いてから、渡辺くんに向かって頭を下げて走ってどこかへ行ってしまった。



初めて人の告白現場とやらを見てしまった。…というか、こんな、覗き見みたいな事しちゃダメだよね。普通は。罪悪感でいっぱいになり、一刻も早くこの場から居なくならなければ。そう思って、足を進めようとした。




渡「そこに居んの誰」


『っ、！』




気付かれてた？いつから？やばい、逃げなきゃ。圧倒的に覗き見、聞き耳を立てていた私が悪いんだけど、本能的にそう感じて申し訳ないけど渡辺くんの言葉を無視して走ろうと思ったが、それは叶わず。腕をガシッと掴まれて、引き止められた。




『───っ、』


渡「…え、あ？、弓木さん？」


『ご、ごめんなさい！たまたま通りかかったら、その、聞こえて来てしまっただけで、その、盗み聞きとか、そういうのではなくて！』


渡「ぶはっ、」


『え、』





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