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チラリと宮舘くんを見てみると、少しだけ困ったような顔をしていた。小さく頷くと、渡辺くんは安心したように笑って私の腕を引いていった。
腕を掴まなくても、もう逃げないんだけどな。背中に『いってらっしゃ〜い』の声を受け、私は猫の着ぐるみを着たまま渡辺くんに連れて行かれた。
渡「さっきごめんね、追いかけて」
『…ううん、私も逃げちゃってごめんなさい』
渡「…えーっと…何から話せばいいんだっけ、」
『…………』
渡「…さっき話してた事…、ふっかにクレープ食われた事も、夏休みに2人で遊んだって事も、全部ムカついてるのは事実」
『…はい、』
渡「弓木さんの事、好きかもって言ったのも本当。好きかもっていうか、多分好き」
『───』
渡「ごめん、困らせるのは分かってるんだけど。これ以上ふっかと仲良くしてるとこ見るの結構キツいって言うか、」
『……ちょっ、と…待って』
渡「うん？」
頭がこんがらがる。
渡辺くんが、私の事を好き。私たちはただのクラスメイトで、隣の席だっただけ。最初は渡辺くんの事ちょっとだけ怖くて、だけど関わっていくうちに面白い人なんだなって思ったり、普通に優しかったり、よく分かんなくて。
渡「…ふっかからも告白されてるんでしょ？」
『っ、なんでそれ』
渡「本人から聞いた。借り物の時の紙、弓木さん持ってるんでしょ？俺のやつ」
『…………』
渡「あの時から、弓木さんの事は可愛いなって思ってた」
心臓が壊れそうな程に大きな音を立てている。顔どころか体全部が熱くて、どうしたらいいか分からない。私はそう言われて、なんて答えればいいんだろう。
俯く私の手を、着ぐるみ越しに渡辺くんがギュッと握る。驚いて顔を上げれば、渡辺くんは綺麗に微笑んでいた。
渡「…俺、弓木さんの事が好きだよ。本当はもっとちゃんと言いたかったけど」
『わ、たなべくん…』
渡「返事はゆっくりでいいから。待ってるから聞かせて？」
『…はい、』
ふにゃんと甘く笑った渡辺くんに、胸がきゅうっとなる。そんな顔で笑うのちょっとずるいよ。そんな事言えるわけがなく、『じゃあ戻ろっか』そう言った渡辺くんがパッと私の手を離す。
まさに大波乱、というか。一生記憶に残りそうな高校生活最後の文化祭が終わろうとしていた。
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めぇ(プロフ) - ゆきのさん» ありがとうございます〜！普通のコスプレだったら面白くないかな〜って思ってしまいました…(笑)これからもよろしくお願いしますo(^-^)o (2020年11月17日 15時) (
レス) id: 84975d1747 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきの(プロフ) - ときめき過ぎて苦しい…。ウサギの着ぐるみを着るってなった時、「トラブルで結局可愛いコスプレ着ることになって、周りをときめかせるパターン」が頭を過ぎったのですが、まさかの着替えても着ぐるみ。こんなに着ぐるみが有効活用されることってある？ってなりました。 (2020年11月17日 5時) (レス) id: c02a029574 (このIDを非表示/違反報告)
めぇ(プロフ) - すずさん» わー！ありがとうございます(;_;)！これからもマイペースに更新頑張っていきますのでよろしくお願い致します…！ (2020年11月14日 11時) (レス) id: 84975d1747 (このIDを非表示/違反報告)
めぇ(プロフ) - 葵瑠さん» ありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです…！これからも見守ってくださると幸いです(^^) (2020年11月14日 11時) (レス) id: 84975d1747 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 最高すぎて意味がわかりません。めちゃくちゃ好きです。 (2020年11月14日 10時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めぇ
| 作成日時：2020年10月26日 2時
