[ガレキ牛]ラブ・ドールが愛せない (ページ5)

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参．はじめましてページ5

【視点なし】

貴『もう大丈夫｡大変でありんしたね』

レ『ねっねェ、ここって、何処？それから、キミは、一体……』

貴『わっちは、生と死を司る者｡ここは、無の世界｡何も無い、ただ真っ白な世界｡もう出られるから、安心しなんし』

レ『なっ、名前は……？』

興味を絞られただけであろう｡
頭のおかしい人間に構う暇などないが、今現在の状況を見てみれば、信じざるを得ない｡

レ『俺は、空木莉菜(うつぎれいな)｡女の子みたいな名前だけど、男』

貴『わっちは、狐花｡初会でありんす』

レトルトは少年、もとい狐花に尋ねる｡
今度は、ただの疑問である｡

レ『狐花くん……｡あの、狐花くんは、どこ住みなの？ここら辺の人？』

貴『それは、家がってことでありんすか？』

レ『うん』

貴『家でありんしたら無い｡わっちに家はありんせん｡あった所も追い出されんしたし』

レ『え！？ほっ保護者、お母さんとかお父さんは？』

貴『？？えっと、分かりんせん｡おかあさん？おとうさん？……人間の親のことでありんすか？それなら、わっちと、おっしゃる存在ができた時からいんせんよ』

レトルトは固まる｡
涼しい顔をして、結構重いことを言う狐花に、同情しているのだ｡
狐花に近付き、レトルトはおもむろに狐花の手をとった｡

レ『じっじゃあ、家(うち)くる？』

(｡-ω-｡)----------ｷﾘﾄﾘ線----------(｡-ω-｡)

初会でありんす＝はじめまして