[実況者]蟹は幼女と暮らしているらしい【レトルト】 (ページ8)

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３８．時に耽るページ8

視点【キヨ】

今は１１時ちょっと過ぎたくらい｡
俺の目の前には俺より年上の５０代くらいの女の人と、２０代くらいの女の人がいる｡

校「はじめまして｡ここの校長をさせてもらっています｡東条(とうじょう)といいます｡こちらは、担任の小桜先生です」

陽「小桜陽(こざくらみなみ)です｡宜しくお願いします」

キ『この子は悠です｡諏訪悠(すわ)｡俺は、今日はこの子の父親の代行をしてます、清川です｡宜しくお願いします』

貴『宜しくお願いします』

校長が｢では、小桜先生｡校内の案内を｣と言うと、｢はい｡では、案内しますね｣と軽い笑みをこぼして、小桜先生は案内しだした｡

しかし、小学校なんて、十数年ぶりだ｡
悪餓鬼だった記憶なんてなくて、教室の隅で地味に座って本読んでたくらいしか記憶にない｡
まあ、でも、友達もいたし、ゲームもしたし、親にも兄にも愛されたから、俺はリア充だったと思う｡
一応、成績も中の上くらいだったし｡

キ『悠、手』

貴『あ、はい』

戸惑いもなく俺の手を握る悠の手は、やっぱり子どもだから小さいし、温かい｡

俺にも、こんな時代があったんだから、おどろきものだ｡
それを言えば、レトさんにもあるし、うっしーにもある｡
ガッチさんにもあるんだ｡
ということは、悠もいずれは大きくなって、今の俺らと同じ二十代になるのだ｡
時というのは残酷だなって、しみじみ思ってしまった｡
俺も、年かもしれない｡
だって、悠が２０歳の時、俺は３９だから｡