[実況者]蟹は幼女と暮らしているらしい【レトルト】 (ページ5)

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３５．たぶん、そう、きっとページ5

視点【キヨ】

キ『…そう言えば、レト…黎翔さんが実況してんの知ってんの？』

貴『はい｡話してくれましたよ｡もちろん、その後実況を見ましたし、感想も言いました｡…大分、恥ずかしがっていたがな』

そう言ってクスクス笑う悠｡
『早苗さんが、キヨという名前で実況しているのも教えてもらったから、今日見てみたよ』と話してきたため、ビックリして、面食らった顔をしていると、悠は笑った｡

貴『怪異症候群を見たよ｡ほら、都市伝説が元の｡毎回毎回の怪異症候群のタイトルコールが楽しみだ』

キ『うわ、レトさんこれずっと受けてたのかよ｡……恥ずいな』

貴『全く、早苗さんもそういうのか？恥ずかしくなどないだろう？だって、本当の事だからな』

大人みたいに話し方も変わって、本当に今が一番楽しいみたく笑うから、なんだかこの子は花のようだと思った｡
我ながら気持ちの悪いことだと思う｡
自分で鳥肌がたつくらいだから｡

それでも、この子は花のようだ｡
柔くて、今しか生きられないみたいな｡
そんな儚さが、俺には辛い｡
多分、レトさんも思っている｡
多分、数ヶ月くらいしか、この子はいない｡
多分、数ヶ月で俺とレトさんはこの子のことをもっと好きになって、大切になって、守ってやりたくなるんだ｡

そうなる未来は、易々と想像出来て、きっと、今より随分寂しい｡
そうだから、俺はこの子に笑ってやろう｡
笑顔をおくれば、少しくらい楽しくなるだろうから｡