この家に私の居場所なんてなかった。

〜第七滑走〜 ページ9

勇利「...A？どうしたの？ショックかもしれない
けど、まだ聞く？」


マーマに心配そうに聞かれたけれど、正直これ以上

は聞きたくなかった。

本当の娘じゃないってこともショックだった。


でも、それよりも本当の娘でもない人がパーパやマ

ーマやユーラチカに恥をかかせているんだと思った

ら言葉では言い表せない感情が次々に湧き上がって

きた。恥ずかしいに似ているけれど、そんな簡単な

感情じゃない。




私は、パーパや、マーマや、ユーラチカの顔に、泥を塗りたくっていたんだ.......。


そう思ったら私は完全に無意識に席を立ってお店か

ら駆け出して行っていた。




後ろからパーパやマーマの声が聞こえるけど、無視

して走った。お店からホテルまでは少し距離があっ

たけど、私は比較的体力がある方だから走って走っ

てずっと走った。


気づかないうちに涙を流していたみたいで、顔はぐ

しょぐしょだった。



そんな女が全速力で走っているのだから振り向かな

い人はいないだろう。

いつもは嫌だけど、今だけはたいして有名でなくて

よかったと思った。こんな顔、こんな姿、誰にも見

せたくないもの。









こんなに醜くて無様な姿.......想像するだけで笑っち

ゃうわ.........。

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