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第65話 調理開始 ページ22





談話室と一体になっている共同キッチン

そこに持っていた二つの瓶を置いて、手袋を外して手を洗うA

それからコンロに水を入れたやかんをセットする


隅に置いてあったエプロンを制服の上から着て、頭上にある戸棚を見上げる

一度ぐっと手を伸ばして届かないことを悟るとちら、と七海の方を振り返る


突然振り向かれた七海が彼女の思惑を察して、ふっと笑みをこぼして立ち上がる

Aの方まで近づき高い位置にある戸棚を開ける

大袋で買ったであろう砂糖や塩、予備の油などが置かれている中にホットケーキミックスの箱を見つける

まぁこれだろうな、と一つ取り出してAに渡す


『ありがとう』

へへっ、と子供のように笑うA

「どういたしまして」


七海から受け取った箱を開けて一つ、袋を取り出す

それから共有の冷蔵庫から卵と牛乳を取ってきて、下の用具入れからはボウルと泡立て器、ヘラを出す


手際良く準備を進めるAに「なにか手伝うことは?」と声をかけるが

『いいよいいよ、出来るまで寝てて』なんて言いながら手を動かし続けるA


この様子だと本当に手伝いは必要なさそうだな、とソファーに座り直して準備を進める彼女の後ろ姿を眺める


コンコン、と卵にヒビを入れて割り切る前に黄身と白身に分ける

綺麗な橙色をした黄身がその形を保って別のボウルに移される

白身の入った方のボウルを抱えて持ち、泡立て器でシャカシャカとリズム良くかき混ぜていく


「ハンドミキサー、使わなくていいんですか?」

『コツ掴めば泡立て器でもメレンゲ作れるよ〜

ま、ネットで勉強したんだけどね』

そう笑いながら手を休めることなく動かすA

白身は空気を含んでどんどん泡が立ってくる


数回に分けてグラニュー糖を入れてかき混ぜ続けていく

しばらくすれば綺麗に角が立った艶やかなメレンゲが出来上がる


さて、次の工程に移ろうと思ったとき、やかんがシュンシュンと音を立てた

火を止めて七海ご希望のダージリンティーを淹れる

湯気のたったマグカップをコトン、と七海の目の前に置く


「ありがとうございます」

ふぅと白い湯気を飛ばして少し啜る

爽やかな若々しい風味が鼻を抜ける

徹夜の重苦しい疲れが抜けたような気がした

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設定タグ:呪術廻戦 , 虎杖悠仁 , 五条悟
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RENKA - 初コメ失礼します!めっちゃ面白すぎて最初から一気に見てしまいました!夢主ちゃんの性格とか魅力的でキャラとの絡みとかもすごく面白くて最高です!!これからも応援しています!更新頑張ってください!! (2022年12月12日 11時) (レス) @page22 id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
ハアザミ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 応援の言葉ありがとうございます。大変申し訳ないのですが、オチはまだ決めておりません。現時点では恐らく虎杖になるかと思います...(本誌の流れによっては変えるので断言できませんが)。ご期待に添えず申し訳ないですが、どうぞよろしくお願いします...! (2022年6月29日 20時) (レス) id: f27e40e240 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年6月29日 16時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハアザミ | 作成日時:2022年3月14日 2時

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