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第62話 説教失敗 ページ19





『んあー!暇だ』

狗巻とはその場で別れてから

ぐいっと背伸びをしつつまた校内を彷徨く


時刻は10時

そういえば朝食を食べ忘れたな、なんて思っていると

ふと視界に入ったのは金髪とサングラスが印象的なあの人


『健人くんだ〜!久しぶりだねぇ』

ひらひらと手を振って近づく

「お久しぶりです」

朝からビシッと決まったスーツに、乱れのないオールバック

彼はいつ見ても丁寧だなぁ、と感心する


『これから任務?』

「いいえ、警備ですよ。昨日襲撃があったばかりでしょう」

あぁ、と声を漏らしたA

彼の顔をよく見ると彫りの深い目元に若干の疲労の色が見える

昨晩からずっと警備に勤めていたのだろうか


お疲れ様、の念を込めて彼の目元を親指の腹で撫でようと手を伸ばす

が、直前でパシッと掴まれる


「あまりそう人に触れるものではありませんよ」

『あぁ、ごめんね。嫌だった?』

「...そうとは言ってません」

『ふふっ、健人くんはいつも優しいね』

「...」


『一晩中警備だったみたいだね。お疲れ様』

「えぇ。貴方もまた無茶をしたようで」

七海の視線の先にはAの肩に巻かれた包帯


『皆心配してくれるけど、本当に何ともないんだよ。硝子ちゃんに殆ど治してもらったし。

寧ろ改善点に気づけてラッキー?的な』

Aがそう言うと、七海の目がキッと細められる


「穴が空いてて何ともないこと、無いでしょう。

痛みを正しく知覚して恐れるのは人類の特権ですよ」


七海の言葉に今度はAが微笑する


緩く弧を描いた薄い唇

窓から差し込まれる光で、彼女のまつ毛が頬に影を作る

それに呑まれたブルーグレーの瞳がいつもより暗く見えて


『私は強くなるためなら人の枠だって超えるよ』


その双眼の前では何もかもが正しいように思えなくて

七海の説教の言葉は舌の奥でつっかえてしまった

第63話 提案→←第61話 後輩



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RENKA - 初コメ失礼します!めっちゃ面白すぎて最初から一気に見てしまいました!夢主ちゃんの性格とか魅力的でキャラとの絡みとかもすごく面白くて最高です!!これからも応援しています!更新頑張ってください!! (2022年12月12日 11時) (レス) @page22 id: 345a1df315 (このIDを非表示/違反報告)
ハアザミ(プロフ) - プスメラウィッチさん» 応援の言葉ありがとうございます。大変申し訳ないのですが、オチはまだ決めておりません。現時点では恐らく虎杖になるかと思います...(本誌の流れによっては変えるので断言できませんが)。ご期待に添えず申し訳ないですが、どうぞよろしくお願いします...! (2022年6月29日 20時) (レス) id: f27e40e240 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年6月29日 16時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハアザミ | 作成日時:2022年3月14日 2時

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