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***


「っていうことがあった」

夜。

2人はまた肩を並べて座っていた。


「加賀美さんって人追いかけちゃったら、なんかサラリーマンの人に会って」


社かな?


「なんか隈とかあって心配だったけど、爽やかな人だった」


社かな


「それで、無事道案内してもらった時、ホスト?の人が来て」


社???


「ふわさんって人だった」

「お、おお…」

次から次へと飛び出してくる、なんだか不思議な既視感を感じながら、葛葉は隣で笑いながら話をするAがとても新鮮だった。

いつもは自分がペラペラ喋っていたのだ。聞き専に回っていた彼女が、言葉を紡ぎ、自分に伝えてくる。
それだけでなぜだか嬉しかった。
同時に何か懐かしかった。

どうしてだろう。

久々にこんな、ゲームとかアニメ以外の話をしたから?子供っぽそうな子と話したから?

子供…。そういえば、Aはどのくらいの歳なのだろう。そうだった。生活?とかの話は全くしてない。俺しかしてない。

初対面で出会った時。こいつも俺もジャージだったんだ。夜にしか会ってないから、ジャージ以外の姿を見ていない。


「で、これ。買ってきた」

「えっあ、なに何?」


隣の紙袋から出てきたのは、黒い子犬の置物だった。


「ありがとう、葛葉。久々に買い物した」

「ああ。いや別に礼なんて要らねえよ。可愛いな、それ」

「可愛い?」

「ああ」

「どちらかと言えばブサイクじゃない」

「えー男女の違いってやつ?」

「葛葉のセンスじゃない?」

「なんだよそれ」


あげる。Aはそう言って、黒の子犬をくれた。
白い子犬が家にあるらしい。


「家ってどこだ?」


ふと聞いてみた。


「狭いとこ」


彼女はそれだけだった。
俺の家はどうたらとか、答えるのを忘れていた。

▽→←▽



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作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - うさ公さん» お返事遅くなりすみません!暖かいお言葉ありがとうございます!続編も楽しみにして頂けると幸いです。 (2022年5月21日 22時) (レス) id: ae6a97f231 (このIDを非表示/違反報告)
うさ公(プロフ) - 作品の雰囲気がすごく素敵でした…ぜひ次の作品も楽しみにしています!!! (2022年4月13日 23時) (レス) @page50 id: 0335d724cc (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 古葉優さん» わああありがとう!供給ざくざく…とはいかないけれど古葉さんと好み一緒で良かった!コメントありがとうございます! (2021年11月22日 20時) (レス) @page43 id: a02ef8a524 (このIDを非表示/違反報告)
古葉優(プロフ) - めっちゃ伸びてるねぇ!番外編需要しかないからもっとあげてくだちい (2021年11月22日 17時) (レス) id: e17acf9343 (このIDを非表示/違反報告)
えの(プロフ) - さとうさん» さとう様、コメントありがとうございます!そう言って頂きすごく嬉しいです!もう少々続きますので、お付き合い頂ければ幸いです。 (2021年8月10日 16時) (レス) id: 8daf7b0f5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えの | 作成日時:2021年5月17日 19時

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