▽ ページ6
彼は葛葉と名乗った。
彼女はAと名乗った。
夜の、あの公園を通ると彼女がいた。
あの公園のベンチに座っていると、彼が来た。
そうして、2人の夜は深まる
2人の間には、
他愛もない会話と笑顔で溢れていた。
「んでさー、食ってみてって言われて、食べてみたわけ。そしたら冷凍されたフランスパンでさ!
硬ぇのなんのって」
「なんで食べたの」
Aは肩を揺すりながら笑った。
「いいモノかと思ったんだよ。
で、ほらやっぱ高級なもんって硬ぇと思うじゃん?」
「なんで思ったの」
彼女は相変わらずお腹をかかえて爆笑している。
「だから俺、つい「美味いっすやっぱ上物は違うっすねー」(早口)って社長に言ってめっ!ちゃくちゃ恥かいてさ」
「なん、でっ」
もう言葉を発せられないほどの笑顔だった。
ツボに入ったんだろうか。
ここまで反応がいいと、葛葉も気分が良かった。
いつもは流れていく文字列だが、誰か、特定の人がこんなにいい笑顔を向けてくれるのは、やはり気持ちがいい。
ツッコミでもボケでも。
でもまあ、自分はふざけるのが似合う。多分。
「いやー社長もやるよなあ」
「社長って、誰?」
まだツボを引きづりながら聞いてきた。
あーそっか。そういうやつ?
葛葉はライバーという言葉を1度も出していない。
それよりか、もう世間話的なことしか話していない。
Aの身の上とか、葛葉の身の上とか。
話してない。
「Vって知ってたりする?」
こうして、2人の夜がふけていく。
273人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あ(プロフ) - うさ公さん» お返事遅くなりすみません!暖かいお言葉ありがとうございます!続編も楽しみにして頂けると幸いです。 (2022年5月21日 22時) (レス) id: ae6a97f231 (このIDを非表示/違反報告)
うさ公(プロフ) - 作品の雰囲気がすごく素敵でした…ぜひ次の作品も楽しみにしています!!! (2022年4月13日 23時) (レス) @page50 id: 0335d724cc (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 古葉優さん» わああありがとう!供給ざくざく…とはいかないけれど古葉さんと好み一緒で良かった!コメントありがとうございます! (2021年11月22日 20時) (レス) @page43 id: a02ef8a524 (このIDを非表示/違反報告)
古葉優(プロフ) - めっちゃ伸びてるねぇ!番外編需要しかないからもっとあげてくだちい (2021年11月22日 17時) (レス) id: e17acf9343 (このIDを非表示/違反報告)
えの(プロフ) - さとうさん» さとう様、コメントありがとうございます!そう言って頂きすごく嬉しいです!もう少々続きますので、お付き合い頂ければ幸いです。 (2021年8月10日 16時) (レス) id: 8daf7b0f5b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えの | 作成日時:2021年5月17日 19時