夜更かし吸血鬼と臆病な子【zh】

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怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い！！！！！


大気に放り込まれたAは、恐怖のあまり身が強張って動けない。
でも、ふとさっきの事が思い浮かんだ。

さっき落下していた時は、何も感じていなかったはずなのに、今はとてつもない恐怖を感じている。
もしかしたら、本当は諦めたんじゃなくて。


葛葉に会えて、「生きたい」って、心の底から思えたからなのかな。


そう感じると、もう怖いものなんてないような、無敵というか、なんというか。
そんな感情に包まれていった。



そっと目を開けた。

風が私たちの落下を妨げ、自由のきかない空中はずっと変な手応えだ。

頑張って周りを見渡すと、葛葉がいた。

暴れる髪の毛で顔が見えない。ああごめん。ごめんね葛葉。


無我夢中に葛葉へ手を差し伸べた。
届かない。
あともう少しなのに。


お願い葛葉、お願い。
ごめん本当にごめん。



「くずは…っ」


Aは手に力を込めた。
祈るように。
縋るように。
助けを求めるために。


「葛葉っ！」


心の底からの本音。


「お願い…っ、」



ずっと言いたかった言葉。

ずっと叫びたかった言葉。



夜が怖かった。
独りが怖かった。

何も無い自分が嫌で、何をするかも分からない自分が嫌いだった。



でもあの夜、あの時に。

私は、大きく変わったんだ。









「助けて…！！葛葉ぁっ！！！」









雲の中に突っ込んだ。

だが、勇気を出した手は縮めていない。
寧ろ葛葉の声が聞こえてから、体の奥底から力が湧いてきた。


2人の落ちる速度で、雲が割れていく。



月の明かりが、2人を照らしていく。
スポットライトのように。

見守るように。

虹→←▽

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