夜更かし吸血鬼と臆病な子【zh】

▽ ページ28

空がみるみるうちに黒く変色していった。

葛葉は迷っていた。
あの場所へ向かうか否か。

悩んで、戸惑っていた。

叶に連絡をいれようにも、Twitterのサブ垢で誰かに呼ばれたので出かける、という旨のツイートを見てから連絡しづらくなった。







「少し思ったんだ」

叶は黛に言った。
独り言を言うように。
誰かに聞いてもらいたい、と縋るような口調で。


「葛葉も、迷ってると思うんだよね」

「葛葉くんが？」

「うん」

叶は秘密を抱えるような面持ちをした後、吹っ切れた表情をした。

「もしさ、葛葉から連絡来た時、教えてあげてくれる？」

「なにを？」

「今から、僕が聞くこと」


叶は再びAに近づいた。









「ドゥーすっかなぁ…」

配信するか、しないか。
こんなモヤモヤした気持ちになったら、ゲームをしてぱーっと発散させたいが。
どうしても、と気持ちが先走る。


そんなこんなしているうちに、太陽が沈んだ。

あの時がやってくる。


「……くそッ」


スマホを手に取り、慣れたはずの動作を慎重に行った。

スマホを耳へ近づける。






「・・・・・あ、もしもし？



教えてほしいことがあるんだけど。





やしきず」

よる→←▽

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す