四十四話 ページ44
「A！大丈夫か〜！！」
『わっ、司先輩！？』
保健室に着くとガバッと大丈夫かと抱き着いてくる司先輩。吃驚した。
「A…とりあえず手当をしよう、そのままでは良くない」
『冬弥くん、授業抜け出してきちゃって良かったの…？』
「良い事では無い事は分かっている、けれど先生に事情を話したら許可を出してくれた。」
…いや、マジか。
『私は大丈夫ですよ、瑞希もありがとう』
「ううん、ボクなんて何も役に立てなくてごめんね。でもさっきのやつ全部録画してるからコレを先生達に見せれば流石に懲りるでしょ！」
笑顔でそういう瑞希、もしかすると1番怖いのは瑞希かもしれない。私は抱き着いている司先輩に離れるようお願いすると、案外素直に離れてくれた。
「A、無理はするなよ！何かあればオレ達に話してくれ、じゃなければ今日みたいに助けに行けないだろう？」
『…ごめんなさい』
「今日はA無事で良かった！いや、無事では無いか…兎に角オレ達を頼ってくれていいんだぞ。」
『ありがとうございます』
私がお礼を言うと司先輩は優しく微笑んで私の頭を撫でてくれる。少し吃驚して『え』と声を出すと司先輩は「嫌か！？それならすまない！」と謝ってくれたが私は『大丈夫です、むしろ嬉しいです』と今の気持ちを伝えた。
司先輩の手はとても優しい。そういえば妹さんが居ると言っていたから、それで慣れているのか。それとも妹として思ってくれているのか、どちらにせよその手はとても暖かかった。
「A、とりあえず座ってくれ。」
『あ、うん』
私は椅子に座って冬弥くんに手当をしてもらう。手つきが慣れているように見えるが、冬弥くんは怪我など沢山したのだろうか。
私が痛くないよう丁寧に手当をしてくれ痛い思いもせずに治療を終えることが出来た。
『ありがとう、冬弥くん！』
「当たり前のことをしただけだ、それに俺の治療だけでは万全では無いかもしれないから一旦医者に行った方がいいかもしれない…」
『大丈夫だよ！そこまで酷い怪我じゃないから！』
「そうか…？けど…」
『腕も動くし、もう立てるから大丈夫。安心して！』
そのことを伝えると少し不安そうだが一応納得はしてくれたみたいだ。
「じゃあ！Aの怪我の治療も終わった事だし、2人を呼びに行きますか！」
瑞希はそう言って校舎裏にいる2人を呼びに向かった。私達3人も瑞希に続いて保健室を後にした。
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ゆき(プロフ) - なーたんさん» コメント返しが遅くなり申し訳ありません！そう仰って頂けてとても嬉しいです！いじめで言い返せる子って本当に凄いですよね、自分は言い返せないタイプなので尊敬します……！ (4月13日 17時) (
レス) id: 5c5f7b9393 (このIDを非表示/違反報告)
なーたん - むちゃ、面白い！いじめで、言い返せる子ってすごいと思うなの、私だけでしょうか？ (2023年2月11日 17時) (レス) @page45 id: 0d23686d6f (このIDを非表示/違反報告)
翼(プロフ) - 人間彡。━ Maoさん» コメントが遅くなり申し訳ありません！少しずつですが、更新させて頂きます！ (2022年11月3日 16時) (レス) id: 5c5f7b9393 (このIDを非表示/違反報告)
人間彡。━ Mao(プロフ) - 最高です…更新待ってます…… (2022年8月20日 9時) (レス) @page15 id: 7602f203a6 (このIDを非表示/違反報告)
翼(プロフ) - 灘奴やんさん» コメントありがとうございます！お言葉を頂き嬉しいですっ、ありがとうございます！ (2022年7月22日 7時) (レス) id: 5c5f7b9393 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翼 | 作成日時：2022年7月19日 2時
