三十七話 ページ37
『今日はありがとうございました！』
「また来てね、何時でも歓迎するから！」
『え……それは迷惑じゃないですか？』
「大丈夫大丈夫、どうせあいつ休日家に居ないんだし」
「…勝手に決めてんじゃねーよ」
『え、し、東雲くん？』
私が帰る時間帯に東雲くんも帰ってきたらしい。絵名さんは「そういう事だから、またね〜」と言い家の中へと戻って行った。絵名さんも東雲くんにとても頭を悩まされているようで大変そうだ。
『今日、杏ちゃんとお出掛けでもしてたんですか？』
「ん？あぁ、まぁな…」
何処か違和感のある返し。歯切れが悪い、杏ちゃんとデート行っていたのだから言えないのとの1つや2つあってもおかしくないわけだ。私はこれ以上ここに居ても仕方が無いため、『また明日、お邪魔しました』と東雲くんに告げ、その場を去ろうとした時。
「……なぁ、A」
『え、名前……』
「冬弥がいいなら…オレも良いだろ…」
『えへへ、東雲くんって可愛い所ありますよね』
「は？可愛くねぇよ、つーかお前もその東雲くんっての辞めろ」
『じゃあ……彰人くん？』
私がそう名前を呼ぶと一瞬固まる彰人くん。大丈夫かな、と思い少し彼に近付くと「なっ…馬鹿、近付くな！」と声を上げて怒られてしまった。流石にスキンシップが過ぎただろうか、そこまで近くないはずなのだけれど。
「……また明日な」
『はい！また明日』
次の日、朝玄関を開けると相変わらず先輩方2人。何で居るのだろうか、家を覚えたら直ぐ来る。今すぐ2人で仲良く登校してくれ。
「A！彰人と冬弥だけズルいぞ！」
『いや、何の話ですか』
「2人だけ名前で呼んでいるんだろう？僕達はまだ呼ばれてないな、と思ってね」
『……それは遠回しに呼べと？』
「……呼んでくれないのか？」
天馬先輩の子犬のような瞳。ダメだ、幻覚で耳や尻尾まで見えてきた。私はその先輩の姿に耐えきれず呼んであげることにした。
『司先輩……と？類先輩、はい。これでいいですか？』
「…嬉しいなっ！類、これは彰人達に報告しに行かないとな！」
「ふふ、そうだね。じゃあ、Aくんも一緒に行こうか」
類先輩にさり気なく手を引かれ手を繋がれる。勿論、恋人繋ぎで。吃驚して先輩の顔を見ると嬉しそうにこちらを見て微笑んでいる。この人は本当に何を考えているのか分からない、分かる事はただ、きっと私は1番良くない人に目を付けられてしまったということだ。
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ゆき(プロフ) - なーたんさん» コメント返しが遅くなり申し訳ありません！そう仰って頂けてとても嬉しいです！いじめで言い返せる子って本当に凄いですよね、自分は言い返せないタイプなので尊敬します……！ (4月13日 17時) (
レス) id: 5c5f7b9393 (このIDを非表示/違反報告)
なーたん - むちゃ、面白い！いじめで、言い返せる子ってすごいと思うなの、私だけでしょうか？ (2023年2月11日 17時) (レス) @page45 id: 0d23686d6f (このIDを非表示/違反報告)
翼(プロフ) - 人間彡。━ Maoさん» コメントが遅くなり申し訳ありません！少しずつですが、更新させて頂きます！ (2022年11月3日 16時) (レス) id: 5c5f7b9393 (このIDを非表示/違反報告)
人間彡。━ Mao(プロフ) - 最高です…更新待ってます…… (2022年8月20日 9時) (レス) @page15 id: 7602f203a6 (このIDを非表示/違反報告)
翼(プロフ) - 灘奴やんさん» コメントありがとうございます！お言葉を頂き嬉しいですっ、ありがとうございます！ (2022年7月22日 7時) (レス) id: 5c5f7b9393 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翼 | 作成日時：2022年7月19日 2時
