Bitter sweet *Fuma.K

菊池先輩3 ページ3

私は急いで駆け寄る









｢あの、ほんとすみませんっ！｣









涙目で言う私を見て


菊池先輩は顔を押さえながら言った









菊池｢全然大丈夫！


弱かったし｣









｢お怪我はありませんか？


菊池先輩｣









菊池｢うん、全然大丈夫だったよ？

てか、俺の名前知ってんだ？｣









その一言で


私は一気に現実に戻される









そして、真っ赤になる私









｢いや、あの｢ぶぁっくしょん！｣









でっかいくしゃみ









そして、濡れてしまった私のワイシャツ









え？









菊池｢ちょっと中島！｣









どうやら中島先輩のオレンジジュースがかかってしまったらしい









中島｢んぁー、悪ぃ｣









菊池｢ったくほんとに…


これ貸すよ｣









そう言って渡してくれたのは


"菊池"と刺繍されたジャージ









｢えぇ！？


そんな悪いですよっ！｣









菊池｢良いから


ほら、着替えな｣









そう言って


菊池先輩達は去ってしまった









ジャージを持って


ポカンとしている私









ハナが窓を飛び越えて走ってきて


勝利と聡も私の元へ走ってきた









ハナ｢ちょっとA良かったじゃん！｣









聡｢喋ったの初めてだったんじゃない？｣









私は、手元のジャージに目線を落とす









｢これ、夢じゃない…？｣









ハナ｢夢じゃないよぉー！｣









そう言って抱きついたハナ









私の目からは一粒の涙









ハナ｢泣かないのー！｣









勝利｢……｣


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