これは愛か (ページ5)

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Ep.5 ページ5

随分上機婦だな、
と言われたシヴェンは鼻歌を止めてクルーウェルに向き合った。

その整った怪訝そうな顔にあの問題児たちの言葉が脳裏に浮かび、彼は思わず吹き出してしまった。
またそれにクルーウェルは眉間のしわを深くした。

「君、愛しのハニーのこと仔犬扱いしてるのかい？」「は？何を言っている。」

風の噂でねと楽しそうに言う男に彼はため息をついた。
婚約者の噂はクルーウェル自身の耳にも入っていた。

彼自身特に隠してはいなかった、“愛しのハニー”のことについても聞かれなかっただけで、指輪についてもそうだった。

ふう、とクルーウェルは息をつきコートを脱ぐと自室のソファに座る婚約者の背中に抱きついた。

「仔犬扱いしてるかどうかなんて、お前が一番よくわかってるだろう」
「まあね。流石に君のイメージが悪すぎて、聞いている身としては面白かったかな」

互いにくちびるを重ね合わせると、シヴェンがまた堪えられないと言うふうに笑う。
　
「お前は、その笑いの浅さをどうにかしろ」
「あまりにも面白くってね」

すまない、と謝るシヴェンをクルーウェルはソファにゆったり倒した。

顔を真っ赤にして、小さく笑いをこぼしながらシヴェンはクルーウェルの髪を撫でて言う。

「今日はたくさん可愛がってくれるんでしょ、ダーリン」