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公式戦からしばらく経ったある日。
何にもない平日だったが、今日は棗が休みで寂しい。いつも一緒にいてくれたから、私一人になってしまった。
移動教室も、お昼ご飯も、一緒に騒いでくれる棗がいない。なんだか物足りなかった。
あんなに元気な棗が休みなんて、一体どうしたのだろうか。相当たちの悪い風邪にでもかかったのだろう。放課後お見舞いにでも行ってやろうかな。そう考えていた。
そして放課後。私は授業が終わると荷物をまとめ、棗の家に向かおうとしていた。もちろん家の場所も分からないので、某メールアプリで連絡を入れようと立ち上げた時だった。
「Aせんぱーい！！！」
教室の外から、坂田くんが勢いよく入ってきた。
「ねぇねぇ先輩、一緒にナックの新作バーガー食べに行きましょうよ！」
あぁ、また彼に犬のしっぽと耳が生えてる幻覚が見える。目をキラキラさせておねだりしてくる坂田くん。んー、棗のお見舞いあるけれど、返信来るまでなら時間あるし、
『うん、いいよ。行こっか』
了承すると、「先輩とデートだぁ」とよく分からない事を行っていたが、坂田くんは私の手を掴むと、勢いよく教室から飛び出した。
玄関付近まで来ると、ある一人の生徒が、私達の前に立ち塞がった。私達は一度足を止める。
「ん？何か用ですか？」
坂田くんがそう聞くと、突如私の後ろから手が伸びてきた。その手は私の手を掴む。私は驚いて坂田くんの手を離してしまった。
『や、何！？離して！』
「ちょ、A先輩に何するん！」
後ろから現れたもう一人の生徒に驚きを隠せない坂田くん。私を助けようと手を伸ばしてくれたが、最初に私達の前に来た生徒に鳩尾に一発くらい、床に倒れ込んでしまった。
「くっ……そ……」
『坂田くん！？』
必死に抵抗するが敵わず、更に手を掴まれていない後ろの方から腕が回ってきて、口元に布が当てられた。
驚いて息を思い切り吸ってしまう。吸ってから、これダメなやつだと気がついた。時すでに遅し、体の力がだんだんと抜けてきて、意識が朦朧としてくる。
私が意識を手放す際に最後に見たのは、坂田くんの燃えるような真っ赤な髪だった。
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あまのじゃく(プロフ) - 田舎女子さん» ここまで読んでいただきありがとうございました！ (2021年6月11日 21時) (
レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
田舎女子 - 完結おめでとうございます！！！番外編も楽しみです！！ (2021年6月10日 17時) (レス) id: 67e9a9c4e5 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - ありがとうございます！あと少しお付き合いください(*´ω｀*) (2021年6月10日 11時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - 猫の隠れ場所さん» ありがとうございました！番外編もお楽しみに(*´ω｀*) (2021年6月10日 11時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
希愛_(._.)_(プロフ) - 初コメです！完結おめでとうございます！番外編も楽しみに更新待ってます！ここまでお疲れさまでした！ (2021年6月9日 20時) (レス) id: 6da2a1838c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまのじゃく | 作成日時：2019年8月4日 18時
