45BET ページ3
「神谷Aのチップが無くなったのでゲームセット！一番チップを多く持っているのは月崎志麻の32枚のため、勝者、神谷A、月崎志麻ペア！」
私はほっと一息ついた。相川くんと天宮くんは信じられないという顔をして私と志麻を見ていた。
一か八か、志麻を信じて正解だった。まさか相川くんも、勝負を吹っかけた相手以外に負けるなんて、考えていなかっただろう。
第三者の介入、いわゆる「漁夫の利」というやつだ。
「いえーい！Aナイスー！」
志麻がハイタッチを求めてきたので、私は両手を志麻に向けてハイタッチをした。一方相川くんは俯き、服をぎゅっと握りしめ泣きそうになっていた。
「これじゃ、そらるさんに顔向けできない……」
(そらるさん……？)
それをなだめるように、天宮くんは相川くんの背中を優しく撫でた。ふるふると悲しみで震える相川くんを他所に、ギャンブルをしていた部屋のドアが豪快に開いた。
そこに立っていたのは、背が高く黒髪と青色の目を持つ男の人だった。男の人はこちらに向かって歩いてくると、相川くんの横に立った。
「そ、そらるさん……」
「何泣きそうになってんだよ、まふまふ」
「ごめんなさい……。か、勝てなかった……！」
この人がそらるさんか。今にも涙が零れそうな相川くんの頭を、そらるさんはぽんぽんと優しく撫でた。
「よく頑張ったじゃん。偉い偉い」
「うわーん、そらるさーん！」
ひしりとそらるさんに抱きつく相川くん。なんだか兄弟みたいだなぁ、この二人は。それを天宮くんが微笑ましそうに見ている。すると、そらるさんは相川くんから目だけ離し、志麻へと視線を移した。
「志麻くん。勝者命令は、どーせあれでしょ？」
「さっすがそらるさん。話が早いなぁ♪」
こちらとしては何も分からないが、向こうでは理解しているようだ。志麻から視線を戻す際、私は少し睨まれた気もしたが、気のせいなのか相川くんには優しい表情をしていた。
これにて公式戦は終了。私は退学にはならずに済み、普段通りの学園生活を送れるようになったのだ。
食堂に新作スイーツが増えていたけど……、志麻の命令って……、まさかね……。
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あまのじゃく(プロフ) - 田舎女子さん» ここまで読んでいただきありがとうございました！ (2021年6月11日 21時) (
レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
田舎女子 - 完結おめでとうございます！！！番外編も楽しみです！！ (2021年6月10日 17時) (レス) id: 67e9a9c4e5 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - ありがとうございます！あと少しお付き合いください(*´ω｀*) (2021年6月10日 11時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
あまのじゃく(プロフ) - 猫の隠れ場所さん» ありがとうございました！番外編もお楽しみに(*´ω｀*) (2021年6月10日 11時) (レス) id: 1bd81e41c7 (このIDを非表示/違反報告)
希愛_(._.)_(プロフ) - 初コメです！完結おめでとうございます！番外編も楽しみに更新待ってます！ここまでお疲れさまでした！ (2021年6月9日 20時) (レス) id: 6da2a1838c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あまのじゃく | 作成日時：2019年8月4日 18時
