29BET ページ31
《第一試合》
「よっし。A先輩、まず賭ける金額を決めましょうか？」
『うーんそうだな……。じゃ、とりあえずチップ25枚で』
今回使用するのは一枚10万円。つまり25枚だと250万円となる。相変わらず金銭感覚が狂いそうな賭け金だなぁと思いつつ、私はチップの山からチップを取った。
「ちなみに借金額は勝った人と負けた人の額の差になりますので」
『分かった。じゃ、セン子さんお願いします』
「はい」
私はセン子さんに剣の賽を振るように促した。セン子さんは慣れた手付きで一度カップの中に剣の小道具を入れると、そのまま床に勢いよく叩きつけた。
「さ、チップを目の前のボードに賭けてください」
私の目の前に置いてあるルーレットの賭け金を置くようなボードには、一から三十までの数字がふってあった。折原くんを見ると、こちらも慣れた様子でチップを置いていた。
私もチップを置こうとボードに手を伸ばした。リスクは高いが、一箇所にチップを置くか、リスクは低いが、数箇所にチップを分けておくか。まずは手始め、私はチップを5枚ずつに分けておくことにした。
「二人共、チップは賭け終わりましたね？それでは、開示します」
セン子さんは床に被せたカップを取る。私は剣の在り処を見た。
「『生』は十二、『死』は七です」
そう言われて、自分のボードに目を向けた。幸い、と言って良いのか、生も死も当たっていなかった。つまり儲けは0だ。
「お、あったり〜♪」
向かいに座る折原くんが楽しそうにそう言ったので、思わずそちらを向く。折原くんのボードの十二には、チップが10枚置かれていた。
「『生』やから30倍になるんよなぁ。つまり10×30＝300！A先輩に300万円分勝ってるわ！」
嫌味っぽく言う折原くんは、私を見て妖艶に微笑んだ。
「さ、続きしましょ？僕が、A先輩をギャンブルの快感に堕としてさしあげます」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1194人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神谷朱里(プロフ) - ノンさん» ありがとうございます！ (2019年8月4日 8時) (
レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ノン(プロフ) - ヤバいヤッパリ最高です！更新楽しみにしてます！がんばってください！ (2019年8月3日 19時) (レス) id: ae4edb19df (このIDを非表示/違反報告)
cocoa - 神谷朱里さん» 更新頑張れ！新作も見に行くね！ (2019年7月31日 0時) (レス) id: 21fbf65f4f (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - ここあだ！ありがとう！更新頑張るぜ(^o^)v (2019年7月29日 7時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
cocoa - Twitterから来ちゃった！！そらるさんがなんて言ったかちょー気になる……これからも更新頑張ってね！ (2019年7月28日 15時) (レス) id: 21fbf65f4f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あまのじゃく x他1人 | 作成日時：2019年5月11日 22時
