154話 うらたside ページ23
うらたside
あーだめだ。
なんか涙止まんなくなっちゃったよ。
目をこすってもとめどなく流れてくる涙に、俺は諦め抗わない事にした。
俺はAの向こう側に片手をつき、上に体をかぶさるようにする。そのままAに優しく触れるだけのキスをした。Aの頬に俺の涙が落ちる。
「姫様から聞いた。お前、本当は王族なんだってな。…………俺が本物の王子様だったら、おとぎの話みたいにキスで助けられるのにな……」
ま、目覚める訳ないよな。ていうか寝込み襲うとか俺サイテーだろ()触れた唇が熱い。
「どれだけ時間が経っても、この気持ちは変わらねぇから。だからゆっくり休んで」
服の裾でAの頬に落ちた涙を拭うと、俺は部屋を出ようとAに背を向けた。これ絶対目が腫れるな、なんて考えながらドアノブに手をかけると、
『うらたさん？』
＿＿＿君の声が聞こえたんだ。
俺は瞬時に振り向く。ベッドの上には、身を起こして、寝ぼけたように目を擦りながらこちらを見ているAの姿が。
『あれ？ここどこ？ってうわ！』
俺は耐えきれなくなって、思わずAに飛びつくように抱きついた。
「ばか、すげー心配した……！」
『うらたさん……。泣いてます？』
「うるさ……」
そう言って俺は無理やりAの口を自分の唇で塞いだ。突然のキスに驚いたAは、ギブアップだと言うように俺の背中を優しくポンポン叩いてきたが、構わず続ける。
ある程度満足した俺は唇を離すと、Aとおでこをコツンと合わせた。
「おかえり、A」
『……ただいま、うらたさん』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 269人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
四つ葉 - 完結お疲れ様です！後からすみません。楽しく読ませて頂きました！他の作品も頑張って下さい！ヾ(≧∪≦*)ノ〃 (2020年4月20日 3時) (
レス) id: e93bba0f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - いえいえ！こちらこそなんかすみません！ (2019年8月10日 18時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - すみませんww参考になりましたww (2019年8月9日 21時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 忘れてたの！？確かに結婚した後みたいな雰囲気ありましたけどｗ (2019年8月8日 14時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 名無し1450号さん» リクエストありがとうございます！書かせていただきます！ (2019年8月7日 18時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朱里 | 作成日時：2019年6月15日 14時
