137話 まふまふside ページ6
まふまふside
「久々でござるなぁ」
「…………ちっ」
「あれ、今舌打ちしたでござるか!?」
「ござるござるうるせぇな!いつまでそのキャラでいるつもりだよ、虎之助!」
めんどくさそうに顔をしかめたキヨは、虎の仮面の男、虎之助に怒鳴り散らした。というか、知り合いなのか?キヨとは騎士団に入った頃から仲が良かったが、なんせ騎士団長という身分。それに本人は天性の面倒くさがりや。あまり人と仲良さそうに話しているのを見た事が無かった。
「だいたい、こんな所で何してんだよ」
キヨの質問に、虎之助は俯く。仮面をつけているため、表情が分からない。
「……我は今、マルム様に仕えているでござる」
「なんでだよ……。……騎士団辞めて、なんで魔物の配下になんか」
「「「騎士団辞めたぁ!!?」」」
キヨの爆弾発言に、一同驚き声を上げてしまった。どうやらかつての同僚らしい。
「……俺は、かつての仲間としてお前を止める義務がある。後悔してたぜ、ずっと。お前が騎士団辞めてから」
武器を構えたキヨ。そういえばキヨの武器をよく見た事がなかったなと思った。キヨの手には虎之助と同じ武器が握られていた。あの細くて長い剣は何なのだろう。僕の片手剣より細い。
「まふ!これ持ってけ!」
「?……ってうわ!」
キヨは自分の武器ではない二本の剣を、僕に投げてきた。
「A少佐の武器だ。それ持って先に行っとけ!ここは俺一人で十分だ!」
「一人で十分って、イキってんじゃないやろーなキヨ!!」
「やかましいわ!さっさと行け!!」
坂田のジョークを軽く流すと、キヨは敵に向かってその剣を構えた。僕はAちゃんの剣を落とさないようにしっかり持つと、キヨに背を向けた。
「絶対助けるからね、Aちゃん……」
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四つ葉 - 完結お疲れ様です!後からすみません。楽しく読ませて頂きました!他の作品も頑張って下さい!ヾ(≧∪≦*)ノ〃 (2020年4月20日 3時) (レス) id: e93bba0f4a (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - いえいえ!こちらこそなんかすみません! (2019年8月10日 18時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - すみませんww参考になりましたww (2019年8月9日 21時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 忘れてたの!?確かに結婚した後みたいな雰囲気ありましたけどw (2019年8月8日 14時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
神谷朱里(プロフ) - 名無し1450号さん» リクエストありがとうございます!書かせていただきます! (2019年8月7日 18時) (レス) id: 53f80ab33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱里 | 作成日時:2019年6月15日 14時