【ツイステ】あなたたちなんて大嫌い。【オクタヴィネル】

39話　思い出したくない ページ40

Aside



思い出したくなかった。

その名前も

あの獣臭も

囁かれた言葉も何もかも



人とは、不思議なもので、思い出したくないと思えば思うほど、その過去が頭に蘇ってきてしまうのだ。次々と、いろんなシーンが走馬灯のように過ぎっていく。


呼吸がしづらくなる

髪の毛が額にへばりついてくる

人の視線が痛い。


今アズールさんはどんな目をしているんだろう。今ジェイドさんはどんな顔をしているんだろう。今フロイドさんはどんな気持ちで私を見ているんだろう。今ユウはどんな言葉を発しているんだろう。周りの声が聞こえてくる。本が落ちる音がする。机がズレる音、椅子が軋む音、扉が開く音、魔法が発動する音


心臓が痛い。きゅうっと痛い。

お腹が痛い。奥がじんじんして痛い。




おら、お前は俺のモンだ。


孕んじまえ。




『やだやだやだやだやだ.......』



頭を抱えて私はその場に蹲る。聞こえないはずのものが聞こえてくる。視界がぼやてくる。


熱い。


しんどい。



ア「Aさんっ!!しっかりしてください！！」


ジェ「ここには僕たちしかいませんよ！」


フ「Aちゃん！ほら、大丈夫だからっ」



違う、この声は私を妨げていた人たち


私の人生を壊してきた人たち




ユ「Aちゃん！！！」




この人は




『うぅ・・・・助けて・・・』





私の意識はそこで途絶えた。



私って、本当に変われるのかな。


いつもそうだった気がする。変わる変わるって言いながら変われていなくて、そのまま次の人にたらい回しにされて、結局最後は人頼み



――ごめんなさい、ごめんなさい。お願いします。私、なかったことにしたい――




あれ、でも、あんなお願いをしたのは、一体誰に向けてだっけ・・・・？

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