検索窓
今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:296,780 hit

35話 彼女の世界 ページ36

ユウside



パラレルワールドからきたこと、あちらの世界で、オクタヴィネルの3人のみならず、いろんな人から酷いことをされてきたこと


それを目の当たりにして、助けてくれなかった人がいたこと、こちらの世界に来たときのこと



『・・・不幸自慢をしているつもりはないけれど、私はどうしても、あなたのように前を向こうと思えなかった。』


気まずそうな感じで目を逸らす彼女

そんなことないのに・・・あれ?でも、過去形・・・?



『・・・今は、ジェイドさんやフロイドさん、アズールさんと会話を交えたり、自分に対する態度を見ていると、少しでも生きたいとか、生きてもいいかもって思ってるの・・・』



ユ「ほっほんとですか!」


嬉しくてつい前のめりになってしまった。

驚いた彼女は、「あう・・・・」と言いながらも、小さく頷いた


凄いじゃないですか。と言っている僕に、彼女は続けていった



『3人だけじゃないわ。


今ユウさんが話してくれたことを聞いて、私も怖いから元の世界に帰りたくない、いっそ死んでしまいたいなんて思っちゃいけないなって思ったの。



私はいつも逃げてばっかり。


誰かに暴力を受ける時も、立ち向かったりなんて考えもしなかったし、その恐怖を克服することも、状況を打破することも何も考えなかった。


ただ、もう嫌だと、消えてしまいたいとばかり思ってた・・・』




彼女は、優しい人だ


決して、暴力をしてきた人たちを憎んでいないわけではないだろう


それでも、一応同一人物であるあの3人やほかの生徒を目の前にしていて、逃げてはいけないといえるのだ。



『わたし・・・・




元の世界に戻っても、ちゃんと生きていけるようにしたい。


そして、それをあなたたちに報告しに、この世界にまた来たいわ。


そのために、元の世界に戻る方法と、この世界にやってくる方法を探す。』



意を決した目で僕に語ってくれる彼女


その顔からは、汗が垂れ、顔も熱を帯びているようだった。


彼女は、勇気をもって今の言葉を紡いでくれたのだ。



それがわかって、こんな関係の浅い僕だけど、少し涙が滲んできてしまった



ユ「Aさんは凄い・・・僕、力になりたいです。」



『すごくなんて、ないわ・・・


あは、なんだか熱い・・・それに、私もユウさんの力になるんだから!』



僕たちは、二人でクスクスと笑い合った


あぁ、なんだか友達って感じがする

36話 友達→←34話 傷痕



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (179 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
434人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

心音ユイ(プロフ) - れさん» あぐぅ・・・ありがとうございます・・・更新が遅かったりしますがよろしくお願いします!!チュキデス (2020年6月28日 21時) (レス) id: b6551fdc02 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - うっ、、ものすごく好きです、、、これからも楽しみにしてます!頑張ってください、、!スキデス (2020年6月27日 15時) (レス) id: 7701c78eca (このIDを非表示/違反報告)
心音ユイ(プロフ) - はまぐりさん» もぐもぐしてくださりありがとうございます…!!これからも美味しいおかずを提供させていただきますねっっ!!! (2020年6月26日 9時) (レス) id: 7ab19ab3f9 (このIDを非表示/違反報告)
はまぐり - どんな展開になっても美味しく読める…続き待ってます!!! (2020年6月24日 4時) (レス) id: fe50b1b3b6 (このIDを非表示/違反報告)
心音ユイ(プロフ) - スッッキリィィィィ!さん» んぎぃありがとうございますっっっ!!! (2020年6月23日 22時) (レス) id: 7ab19ab3f9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:心音ユイ | 作成日時:2020年6月13日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。