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翌日の放課後、それは起こった。
「先輩!部活の時間ですよ、楽しみですね!」
「⋯」
ジャージに着替えてきた白羽が、先に体育館へ来ていた私に人懐っこい笑顔を浮かべながら抱き着いてくる。
ゾッとして、思わず払い除けようとしたところで通りかかった及川さんが「仲良いね〜」とニコニコで声をかけてくる。
「はぁい!先輩とは昨日の練習後に仲良くなったんです! ねー、先輩」
「な、は⋯あ⋯⋯」
「ふーん⋯?」
誰が仲良くなった!?んなわけないだろ!??
そう言いたいけど、及川さんの手前、そんなことを言ったら
「ええ⋯先輩、ひどい⋯⋯私、先輩と仲良くなれたと思って嬉しかったのに⋯⋯」
とかさめざめと泣き出すに決まってる!!!
「あ⋯⋯⋯⋯っと⋯⋯」
「先輩、照れ屋さんなんですよね♡」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯はあ」
曖昧な返事だけをして、仕事を理由にそっと白羽から離れる。
白羽は「今日もいっぱいお話しましょうね!」だとか何とか言っている。
どういう神経してるんだこいつは。
こちらをじっと見る及川さんに冷や汗が止まらない。
「⋯⋯⋯ふーん」
だからなんの『ふーん』????
怖かったので及川さんにはすぐに背を向けて仕事に取り掛かった。
⋯⋯あれ?
部員たちの紅白試合の得点を記録する百合さんの髪に、いつもの花の髪飾りが無いことに気がついた。
親戚の小さい男の子にもらって気に入ってるって言ってた髪飾り。つけてないなんて珍しい。
あれ、朝練のときからそうだったっけ?
「あれ、百合。髪飾りどうした。いつもつけてるやつ」
花巻さんが休憩のついでに百合さんに話しかける。
百合さんは眉を下げて笑う。
「なんか、無くなっちゃって
⋯朝練終わるまではあったんだけど⋯たぶん更衣室にはあるんだと思う。
後で探す」
「更衣室かー、そんじゃあ俺らは入れねえな」
「うん。大丈夫だよ。ありがとう、花巻くん」
「なあ、悪い。マネの誰か、備品足りなくなってきたから手空いてるやヤツに買い出し頼んでも良いか」
そう声をかけてきたのは岩泉さんだった。
⋯百合さんが部活にいなくなると部員たちが残念がるし、白羽も同じ。
ついでに白羽にはこっちの仕事覚えてもらわなきゃいけないし⋯⋯
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ne*(プロフ) - 大丈夫ですか?無理しないで下さいね。 (2022年9月2日 9時) (レス) id: d0690099e0 (このIDを非表示/違反報告)
すみんみん - 続きがめちゃめちゃ気になります!頑張ってください! (2022年8月12日 17時) (レス) @page27 id: ebcea48cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - 大丈夫ですか?体調崩されたのでしょうか。お大事になさってください (2022年8月10日 9時) (レス) id: 83697b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 僕も続きが気になりますでもこんなにたくさん小説を書いていると疲れるので休みながらでもいいので頑張ってください (2022年8月9日 19時) (レス) @page27 id: 25670c47bc (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 続きが気になりまくりです!更新頑張ってください! (2022年8月9日 12時) (レス) @page27 id: 3764804c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湧緋 | 作成日時:2022年7月24日 0時