青葉城の黒魔女、その噂【ハイキュー】

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「なーんだ。先輩なら共感してくれると思ったのに、案外純情な乙女、なんですね。

　ねえ先輩。
　私、及川主将に一目惚れだったんです。あんなかっこいい人同じ学校にいるんだ！って部活紹介見てビックリ。

　それに！
　及川さん以外にもかっこいい人いるじゃないですか。1年のセンター分けの子とか、3年生たちとか！」


「⋯だから？」


「あれ、わからないんですか？
　邪魔なんですよ、あの女。
　2人で一緒に追い出しません？って誘おうとしたんですけど⋯ダメっぽいですね。

　⋯ああでも、それってつまり⋯⋯」




白羽が私の顔を見て、怖気が立つような、心底気持ち悪い目で笑った。




「あの女⋯懐いてくれてると思ってた後輩に嫌がらせされたら、ショックで部活やめちゃうかなあ？」

「あ？」

「ちょうど良かった！
　先輩、嫌われ者なんでしょ？嫌がらせとかしそう！
　うんうん！」



パンッと軽快に手を叩き、名案を思いついた子供のようにはしゃぐ白羽が、得体が知れなくて、気持ち悪くて仕方がなかった。




「じゃあまた明日、先輩。楽しい学校生活にしましょうね」




白羽はヒラヒラと手を振って、軽い足取りで更衣室を出ていった。




彼女のつけた香水の残り香に、なんだか今は吐き気がした。


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