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「岩ちゃんたちに気づいてもらえるまで、俺たちにできることは無いんだしさ。
とりあえずゆっくりしとこうよ」
「ゆっくりって、」
「お話しよう、及川さんと。
そうだなー、Aちゃんって、好きな言葉とか今までに言われて嬉しかった言葉とかある?」
「なんですかその話題チョイス⋯」
好きな言葉⋯⋯今までに、言われて、嬉しかった言葉⋯⋯
「⋯⋯」
思い浮かぶことは、ある。
が、この人の前では絶対に言えない。
「⋯⋯『人を呪わば穴二つ』」
「なにそれ暗っ! 好きな言葉!?」
「ケケケ⋯私にはお似合いの言葉でしょう⋯⋯」
「暗い暗い、暗いよAちゃん⋯」
「別に良いでしょう」
「ホントにもう、Aちゃんは⋯⋯
じゃあ次、俺の番ね。
俺が今までに言われて嬉しかった言葉、色々あるけど⋯
『あなたが幸せであり続けますように』かな」
「⋯!」
「言われた⋯わけじゃないんだけどさ。もらった言葉の中では、これが結構心に響いたんだよね」
「⋯⋯そんな、ありきたりでつまらない言葉がですか」
「まあ、確かにありきたりかもね。でも、少なくとも俺は凄く嬉しかった。
誰からのメッセージかは、わからないんだけど⋯ね」
及川さんは、私に意味ありげに微笑む。
「⋯こっち見ないでください。呪いますよ」
「いや純粋な脅し!! 何でそう素直じゃないかなあ!」
「関係あります?」
⋯びっくりした。まさか気づかれてはいないだろう。
いや、気づいているわけがない。あんなの。
まだ私が入学する前だったし。気づいてる方がおかしいんだ。
この人は意味もなく意味ありげな顔するから。きっとそう。
薄暗い蛍光灯が、ホコリっぽい倉庫内と私たちを照らす。
まさかこんなふうに、彼と話すことになるなんて思わなかった。
私は本当に、近くで、こっそりと彼を応援できればそれで良かったのに。
「⋯私なんかが、」
「え⋯?」
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ne*(プロフ) - 大丈夫ですか?無理しないで下さいね。 (2022年9月2日 9時) (レス) id: d0690099e0 (このIDを非表示/違反報告)
すみんみん - 続きがめちゃめちゃ気になります!頑張ってください! (2022年8月12日 17時) (レス) @page27 id: ebcea48cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - 大丈夫ですか?体調崩されたのでしょうか。お大事になさってください (2022年8月10日 9時) (レス) id: 83697b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 僕も続きが気になりますでもこんなにたくさん小説を書いていると疲れるので休みながらでもいいので頑張ってください (2022年8月9日 19時) (レス) @page27 id: 25670c47bc (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 続きが気になりまくりです!更新頑張ってください! (2022年8月9日 12時) (レス) @page27 id: 3764804c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湧緋 | 作成日時:2022年7月24日 0時