11. ページ19
．
体育館の光もあまり届かない古びた倉庫。
周りには雑草が生えっぱなしで、これから夏が始まると思うとどんな状態になるか⋯
足をとられないようにしながら扉にたどり着き、手をかけてみるが思った通り開かない。
「ほぉら、言ったでしょ」
振り向かなくても腹立たしい顔をしているのがわかる。
イメージの中の顔がうるさい。
貧弱で悪かったな。私は呪いで戦うタイプなんだよ。
「⋯お願いします」
「ふふ〜ん。まっかせなさ〜い！」
何が楽しいのかウキウキと私の前に出ると、及川さんは耳障りな金切り音を立てる扉を開けた。
「ありがとうございます」
「このくらいお易い御用だよ」
「⋯⋯」
「⋯⋯」
「⋯？」
「ん？ なに？」
「え、戻らないんですか？」
なぜか一緒に中に入ってきた及川さんに純粋に思っていたことをぶつけると、彼の顔が固まった。
あ、しまった。
「どういう意味かなぁ？？そんなに俺と一緒にいたくないのかなぁ？？？」
「ぅ⋯⋯」
「ほらこういうとこで否定しないし！！ホント厄介だなあAちゃん！！！
どうせできないだろうから、ここ閉めるのも俺がやってあげるって言ってんの！」
「⋯閉めることくらいは、別に」
「そこ意地張る！？
良いよじゃあ、試しに閉めてみてよ。もしAちゃんだけで閉めれたら俺も諦めて戻るから」
「⋯⋯はあ」
主将をいつまでもこんなホコリっぽいところに居させるのも申し訳ない⋯し、
2人きりもキツいので再び扉に手をかける。
ふんっ
「ッ⋯⋯」
ふっん
「⋯⋯〜〜〜ッッ」
体重を乗せるようにして内側から扉を引けば、重く甲高い音を立てて閉まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ne*(プロフ) - 大丈夫ですか？無理しないで下さいね。 (2022年9月2日 9時) (
レス) id: d0690099e0 (このIDを非表示/違反報告)
すみんみん - 続きがめちゃめちゃ気になります！頑張ってください！ (2022年8月12日 17時) (レス) @page27 id: ebcea48cb7 (このIDを非表示/違反報告)
さっちゃん - 大丈夫ですか？体調崩されたのでしょうか。お大事になさってください (2022年8月10日 9時) (レス) id: 83697b1c32 (このIDを非表示/違反報告)
雷 - 僕も続きが気になりますでもこんなにたくさん小説を書いていると疲れるので休みながらでもいいので頑張ってください (2022年8月9日 19時) (レス) @page27 id: 25670c47bc (このIDを非表示/違反報告)
椿 - 続きが気になりまくりです！更新頑張ってください！ (2022年8月9日 12時) (レス) @page27 id: 3764804c56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：湧緋 | 作成日時：2022年7月24日 0時
