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「なあ、ここで俺がお前んこと犯したったら、お前ももう北さんとこ行けんくなってまうな。
北さんに言えへんもんな、『侑にキズモノにされちゃいました』なんて
…ああ、ホンマに女やったんや。
サラシまで巻いて、男のフリなんてようやるわ」
「あつむ！」
「今までどんな気持ちでおったん？
俺のことだまして、
男友達や言うて俺が優しゅうするたびに俺をバカにしとったんか？
とんだ性悪やな」
侑がオレの肌に触れる。
冷たい手。
冷たい目。
振りほどこうと暴れても
侑の体は、腕はビクともしない。
怖い、
怖い、
侑が、こわい
「俺をだまして近づいて、楽しかったか？
クソ女」
冷たい
『俺のこと好きとか言う女、嫌いやねん』
冷たい声
侑が目の前の女の子を軽蔑したときの
冷酷な声
こわい
こわい
いやだ
「やだ…
北さん、助けて……」
ひとつ、ふたつ
目から涙がこぼれる。
北さん、北さん、
優しい手の北さん
助けて
ピタリと
侑の手が止まった。
「……ハッ、なんやそれ。こんなときでも北さんかいな。
そないに俺より北さんのほうが…」
「もう、やめる……」
自然と口から出ていた。
なんで私はこんなやつのことが好きなんやろう。
めんどくさくて、厄介で、
ひどくて、冷たいやつ。
なんで私は、
こんなやつのことを好きやったんやろう。
涙も
言葉も
もう止まらない。
「全部ぜんぶ、やめたる。
男のフリするんも、この学校におんのも、
バレーも、
侑のこと、好きでおんのも
もう全部、やめる」
侑の体を押しのける。
さっきまでが嘘みたいに、
侑は簡単に私の上からどいた。
スポーツバッグをひっつかんで扉に向かう。
「A、」
「もうええよ。
言うなら言えばええ。
私が女やったってこと。
みんなをだましとったってこと。
好きに言えばええ」
ジャージの袖でぐい、と涙を拭う。
扉のノブに手をかけた。
「さよなら侑くん。」
さよなら、私の初恋。
「…ホンマに、さようなら」
私は振り向かずに、部室を出て行った。
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湧緋(プロフ) - しずくさん» 感動してくださったのでしょうか！とても嬉しいです！！すれ違いは書いててツライですね…。けどハッピーエンドを目指します！ 侑に聞こえているかは、ぜび完結編をご覧下さい！ コメントありがとうございます！ (2020年3月14日 13時) (
レス) id: ae4a71a3cf (このIDを非表示/違反報告)
湧緋(プロフ) - 猫太郎丸さん» またまたコメントありがとうございます！頑張って2人を幸せにしたい！ので、楽しみにしていてください！ 完結編もぜひ！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: ae4a71a3cf (このIDを非表示/違反報告)
しずく - どうしよう・・・涙がとまりません。2人の思いがすれ違ってなんかかわいそうやけど、夢主ちゃん最後にさらっと告白してるとこ侑くんに聞こえてるんでしょうか？ (2020年3月12日 18時) (レス) id: db0ac314d3 (このIDを非表示/違反報告)
猫太郎丸 - ヤバいです。涙が出ました。侑くんと夢主ちゃんのすれ違いがもどかしくて心が締め付けられます…。続きを楽しみにしています！ (2020年3月12日 17時) (レス) id: 3db7769967 (このIDを非表示/違反報告)
湧緋(プロフ) - 猫太郎丸さん» わーい！！ありがとうございます！頑張ります！！！ (2020年3月3日 14時) (レス) id: ae4a71a3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湧緋 | 作成日時：2020年3月2日 14時
