23．モヤモヤ ページ32
【侑side】
角名にも同じように北さんの話をしたったら、
じゃあ誰かが北さんに事の真相を聞いてこよう、
なんてアホみたいな話になった。
決め方はシンプルに、ジャンケン3回勝負。
参加者は俺と治と角名。
『じゃあ侑、よろしくな』
俺は負けた。
「あ、あのー、北さん？ちょっとええですか？」
練習の休憩中。
クリップボードの紙を見つめながら練習のことを考えている様子の北さんの元へ、
おずおずと近づいて行った。
「侑か、どないしてん」
「いやー、ホンマ対したことやあらへんのですけど⋯⋯
あ、何聞かれても怒らんでくださいね！？」
「それは内容によるやろ。聞く前にその保証はできん」
「真面目か！そりゃそうですけど！」
「それでなんやねん。」
「⋯⋯⋯あー、いやホンマに、不快にさせてしもたら申し訳ないんですけど」
「はよ話しい」
「⋯北さんて彼女おります？」
聞いた！！
5mほど離れた場所で聞き耳を立てている治と角名から
そんな心の声が聞こえた気がした。
「いや、おらんけど」
「エッッ、ホンマですか！？？」
「なして急にそないなこと聞くんや」
「実は俺、こないだの土曜に北さんが女の子と一緒におるとこ見たんです。
楽しそうに話しとったから彼女サンなんかなー、と」
「ちゃうよ。ただの知り合いや」
「へー。ちなみに北さんってどう言う子が好きなんです？やっぱ背の高い子？」
「別にそういうんやないけど」
「じゃあホンマにあの子はあんとき会っただけみたいな⋯」
「ああ、でも、
食べ方の綺麗な子は、ええよな」
そう言った北さんの横顔は、
少しだけ、微笑んでいるように見えた。
「は、
そ、れって、誰の⋯⋯」
「北ー！」
俺が言葉を言いかけたとき、アランくんが北さんを呼んだ。
北さんは俺に一言断ってから、すぐにアランくんの方へ行ってしまった。
なんや、今ものすごく
ドッ、と嫌な汗をかいてもうた。
背中がベタついてしゃあない。
不快、
不快、
なんやろか、この変なモヤモヤは。
．
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湧緋(プロフ) - しずくさん» 感動してくださったのでしょうか！とても嬉しいです！！すれ違いは書いててツライですね…。けどハッピーエンドを目指します！ 侑に聞こえているかは、ぜび完結編をご覧下さい！ コメントありがとうございます！ (2020年3月14日 13時) (
レス) id: ae4a71a3cf (このIDを非表示/違反報告)
湧緋(プロフ) - 猫太郎丸さん» またまたコメントありがとうございます！頑張って2人を幸せにしたい！ので、楽しみにしていてください！ 完結編もぜひ！ (2020年3月14日 13時) (レス) id: ae4a71a3cf (このIDを非表示/違反報告)
しずく - どうしよう・・・涙がとまりません。2人の思いがすれ違ってなんかかわいそうやけど、夢主ちゃん最後にさらっと告白してるとこ侑くんに聞こえてるんでしょうか？ (2020年3月12日 18時) (レス) id: db0ac314d3 (このIDを非表示/違反報告)
猫太郎丸 - ヤバいです。涙が出ました。侑くんと夢主ちゃんのすれ違いがもどかしくて心が締め付けられます…。続きを楽しみにしています！ (2020年3月12日 17時) (レス) id: 3db7769967 (このIDを非表示/違反報告)
湧緋(プロフ) - 猫太郎丸さん» わーい！！ありがとうございます！頑張ります！！！ (2020年3月3日 14時) (レス) id: ae4a71a3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：湧緋 | 作成日時：2020年3月2日 14時
