秘密 ヲ 死守 セヨ【宮侑】

21．記憶 ページ30

【侑side】





「なあ、あれってやっぱ北さんの彼女なんかな」



家への帰り道、何気ない治との話題は


ついさっき目撃してしまった、

北さんと歩く女のこと。







「彼女おるって聞いたことあらへんけど」

「せやねん。そこやねんな。あの人、ザ・バレーひとすじ、て感じやんか」

「侑(ツム)とちごうて勉強もできるらしいけどな」

「一言余計やぞ」

「そないに気になるんやったら本人に直接聞いてまえばええんちゃう」

「アホ、聞けるかいそんなもん。俺が北さんに殺されたらどないしてくれんの」

「骨はちゃんと埋めたるから安心せえ」

「全然ありがたないわ」

「でもさっきの人、身長とか北さんとほぼ変わらんくらいやったやん。
　彼女とかやなくて姉ちゃんとかなんちゃうの」

「わからんよ。北さんってひょっとしたら背の高い女の子のが好きなんかもしらんやん」

「あー、バレーやっとる子やったり？」

「ほら、ありそうやろ？

　⋯それに、なーんやあの人、俺どっかで見たことある気いすんねん」

「ウチの学校の人なんちゃう？」

「んー？いや、高校入ってから見たんやないと思う。
　もっと前に⋯」

「どうせ中学のクラスメイトとかに似とるとかやろ」

「中学⋯⋯あ、」







あれ？







いま一瞬だけ、なんか思い出せそうな気いしたんやけど。









「アカン！引っ込んでもうた！」

「それもう一生思い出せんやつや。ようあるわ」

「ああ〜気になる〜〜！」








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