【薄桜鬼】死後の逢瀬

狭間の世界2 ページ7

＊貴方side＊

大和さんに手をひかれ、私達は船着場を目指して歩いていた。大和さんはとても背が高くて、茶髪の髪を独特な結び方で結っていた。

大和さんは、多分私より5、6歳年上なんじゃ無いかと思う。何だか年上のお兄さんが出来たみたい…。それに、自分より大きい人に手を握ってもらうのは久し振りだから、少し嬉しかった。


ガヤガヤ…

貴方:人が沢山…。まるで市みたい…

大和:ここは死んだ魂が生きている場所だからね。生きてた世界に近い作りになってるんだけど…どう？似てる？

貴方:うん、確かに似てるかも…


死して尚、生き続ける。ここにいる人たちは皆楽しそうだ。…あれ？死して尚生き続けるってことは…もしかして…！


貴方:大和さん！お願いがあるんです…！

大和:ん？なぁに？

貴方:私、お父さんに会いたいんです！3歳の時に死んじゃったお父さん…。会えませんか⁉︎

大和:…それは、無理じゃないかな

貴方:え…何で…？

大和:あのね、確かにここは死後の世界だけど、ここにいる為には生前の記憶を消さなければならないんだ。

貴方:記憶を…消す…？

大和:そう。それに、キミが3歳の時に死んだってことは、相当年数が経ってるよね？仮に記憶が残っていても、探すのは無理じゃ無いかな。

貴方:そんな…


折角お父さんに会えると思ったのに…。でも良いの…？こんな機会2度と来ないんだよ？ダメだよ、こんなところで諦めちゃ…！私、絶対お父さんを探してみせる…！

だって、会いたいから…！


貴方:大和さん、私諦めません。絶対にお父さんを探し出します！

大和:無理だと思うんだけどなぁ…。分かった、でも僕から離れちゃダメだよ？

貴方:はい！ありがとございます！

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