加州清光の記憶 ページ17
楽しそうな声が聞こえる…。
これは、幼い少女の声だ。
女の子:お父さん、おさんぽたのしいねー!
父:クスッ、そうだね。ほら、ちゃんと手を繋いで歩こうね
女の子:うん!
のんびりと楽しそうに歩く人影が3つ。1人は小さな女の子、もう1人はその子の父親、そしてもう1人は…父の友人だろうか…?
友人:あまりはしゃぎ過ぎてはならぬぞ。お前の父は…
父:もう一君、ダメだよそんなこと言っちゃ。
友人:し、しかし…あんたの体は…!
父:良いから。大丈夫だって。それより、今はこの時間を大切にしたいんだよ…。
そう友人に言った父親は、女の子の方を見た。女の子は本当に楽しそうな表情をしていた。複雑な顔をしているのは、友人だけだった。
暫く歩いた後、川の岸辺で休むことにした。川はキラキラと輝いていて、綺麗だった。
女の子:お父さん、私あそんでくるー!
父:うん、気をつけてね。
女の子:うん!
そう言って、女の子は川の方へ走って行く。大人2人はその場に腰掛け、女の子の方を見ながら他愛も無い話をしていた。
父:平和だねー…。あの頃の自分じゃ想像も出来ないぐらい、穏やかで…。
友人:そうだな…。
父:一君も早く良い人見つけなよ。新八さんは無理でも、キミならすぐ見つかるんじゃないの?
友人:余計なお世話だ…!
父:アハハ!でも、良いもんだよ、家庭を持つって。娘だって、あんなに可愛いし…。
友人:まぁ、な…
女の子:お父さーん!
女の子が父達がいる方へ向かって手を振っている。父は手を振り返し、友人もその光景を見て微笑んでいた。
父:僕さ、時々思うんだ。こんな幸せがずっと続けば良いのにって…
友人:何を言っている。お前はこれからもずっと、家族3人で幸せに暮らしていくのだろう?
父:…僕は、いつ死んでもおかしくない体だ。いつ、何が起こるか分からない。僕は2人に、悲しみ以外の何を残してあげられるだろうって、時々考えるんだ。
友人:そのようなこと…
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かりんとう(プロフ) - う、うわぁぁぁ!!!!なんですかこれ!!!こんなの、こんなの泣くしかないじゃないですかあ!!!!検索の奥のページまで見に来てよかった← (2018年11月13日 0時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
お米ちゃん - 最高です!こんなに感動できる作品が書ける作者さんは凄いです(о´∀`о) (2016年10月25日 19時) (レス) id: 7f5cca34a9 (このIDを非表示/違反報告)
薄夜 - とても面白くて、感動しました。私も皆さんと同じく泣きました。小説見て泣いたのは何年ぶりでしょうか。特に、総司の娘ということが良かったです! (2015年9月20日 2時) (レス) id: b881695c4e (このIDを非表示/違反報告)
真由 - すごくよかったです!泣けました。゜(´⊃ω⊂`)゜。 (2015年7月13日 21時) (レス) id: 92a0df771a (このIDを非表示/違反報告)
風花 氷雪(プロフ) - soccer♪さん» はわわ…!そう言って頂けて嬉しいです!読んで下さりありがとうございました!コメントもありがとうございます!励みにさせて頂きます! (2015年2月23日 0時) (レス) id: a823bf8299 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風花 氷雪 | 作成日時:2015年1月16日 20時