【薄桜鬼】死後の逢瀬

真実を知れ ページ13

＊船着場の小屋＊

ガチャ

？:お帰り和泉さん！あれ、その女どうしたんだよ？

バコッ！[？の頭を叩く]

？:いってぇ！何すんだよ和泉さん！

和泉:全部てめぇのせいだろうが、上総介！こいつはお前が手違いで狭間の世界に連れて来ちまった人間だ。

上総介:え、嘘だろ⁉︎ ごめん、本当にごめんな！悪気は無かったんだ、ただ…

貴方:だ、大丈夫です！私生きて帰れるんですし、問題無いですよ。だから頭上げて下さい。

？:嬢ちゃんは優しいな。一発ぐらい殴ったって良いんだぜ？あ、俺は江府住。よろしくな

上総介::どう言う意味だよ！

和泉:お前は反省しやがれ！

江府住:悪りぃな…。いつもこんななんだ。

貴方:いえ、大丈夫です。

和泉:…さて、んじゃ返す前にお前の名前を聞かねーとな。じゃねーと間違って返すことになっちまう。名前は？

貴方:あ、はい！私、雪村純礼と申します。

ガシャーン！[突然花瓶が落ちて割れる]


風も吹いていないのに、突如として部屋中に響いた音。その一瞬で、世界中の時が止まったかのような静寂が訪れた。


貴方:あ、あの…？

上総介:ゆき…むら…？

江府住:本当に、雪村って名字なのか⁉︎

貴方:あ、はい…。父方の名字は伏せておいた方が良いと言われて、それで母方の名字をずっと名乗って…。

ガバッ！[抱きしめられる]

貴方:えっ⁉︎

上総介:そっか…そっか…！千鶴の…！

江府住:どうりで似てると思ったぜ。純礼は千鶴の娘だったのか！

貴方:な、何で母の名前を知って…⁉︎

和泉:俺たちとお前の母親は、昔付き合いがあった関係でな。

貴方:そう…なんですか…。ハッ、じゃ、じゃあ父のこともご存知ですか⁉︎

和泉:…父親…？

貴方:父は私が3歳の時に亡くなりました。原因は未だ分かりませんが…。そしたらここに来て、もしかしたら会えるんじゃないかって思って探したんですけれど…

上総介:和泉さん…

和泉:…お前には、真実を知る覚悟があるか？

貴方:え…？

和泉:お前の父…。俺たちには心当たりがある。お前の父親について教えてやることが出来る。

貴方:本当ですか⁉︎

和泉:ただし、真実は残酷なもんだ。…それでも聞くか？


出来るなら目をそらしたい…。でも…私は何も知らない。多分、今後お母さんや斎藤さん達に教えてもらうことも出来ないだろう。なら、今ここで、真実と向き合うべきだ…！


貴方:大丈夫です。私に…教えて下さい！

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