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記憶2 ページ11

私のお父さんについて軽く大和さんに話したあと、私はずっと気になっていた大和さんの記憶について尋ねてみた。

貴方:あの、大和さんは何か覚えていないんですか?自分のこと…。

大和:僕?自分では覚えてないね。和泉さんから少し聞いたことぐらいしか覚えていないよ。ほら、これが証拠。

[鞘に収まった刀をみせる]

貴方:どういう意味ですか?

大和:これ、抜けないでしょ?これは記憶が封じ込められてる証拠なんだ。だから、この刀が鞘から抜けるまで、僕は生前の記憶を思い出すことが出来ないんだよ。

貴方:その刀を抜く方法は無いんですか…?

大和:あるとは思うよ。ただ、僕にはその手段が分からないんだ。和泉さん達も、何らかの拍子で生前の記憶が戻ったんだって。だから具体的に何をすれば良いとかは分からないんだ。

貴方:何らかの拍子…

大和:でも、今更無理だと思うよ。僕、もうこっちに来て12年になるけど、そんな機会1度も無かったからね。

貴方:じゅう…にねん…?本当に?

大和:うん、そうだよ。まぁこれも和泉さんが教えてくれたことで、僕の記憶では無いんだけどね。


「長いよねー」なんて笑ってる大和さんを他所に、私は1人考える。…12年前と言えば、お父さんが亡くなってから経つ年数だ。まさか…大和さんが…?

いやいや、そんな訳無いか。第一私と大和さんは全く似てない。似てるところなんて、背が高いことと癖っ毛な部分だけ…。でも、そんな人きっと狭間の世界だけでも何十、何百人もいると思う。大体、私のお父さんならもっと歳を重ねている筈。大和さんは20ぐらいに見えるから、とても親とは思えない…。


大和:さて…じゃあそろそろ行こうか、立てる?

貴方:あ、はい、大丈夫です。

大和:うん、じゃあ出発しようか。ニコッ


そしてまた、私の手を握って歩いてくれる。この時間が、私にはどうしようも無く安心出来る時間だった。

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設定タグ:薄桜鬼 , 沖田総司   
作品ジャンル:アニメ
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かりんとう(プロフ) - う、うわぁぁぁ!!!!なんですかこれ!!!こんなの、こんなの泣くしかないじゃないですかあ!!!!検索の奥のページまで見に来てよかった← (2018年11月13日 0時) (レス) id: b09f89d760 (このIDを非表示/違反報告)
お米ちゃん - 最高です!こんなに感動できる作品が書ける作者さんは凄いです(о´∀`о) (2016年10月25日 19時) (レス) id: 7f5cca34a9 (このIDを非表示/違反報告)
薄夜 - とても面白くて、感動しました。私も皆さんと同じく泣きました。小説見て泣いたのは何年ぶりでしょうか。特に、総司の娘ということが良かったです! (2015年9月20日 2時) (レス) id: b881695c4e (このIDを非表示/違反報告)
真由 - すごくよかったです!泣けました。゜(´⊃ω⊂`)゜。 (2015年7月13日 21時) (レス) id: 92a0df771a (このIDを非表示/違反報告)
風花 氷雪(プロフ) - soccer♪さん» はわわ…!そう言って頂けて嬉しいです!読んで下さりありがとうございました!コメントもありがとうございます!励みにさせて頂きます! (2015年2月23日 0時) (レス) id: a823bf8299 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風花 氷雪 | 作成日時:2015年1月16日 20時

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