For you (ページ12)

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『すごいねー』

「ねー綺麗だね」

水族館を歩き回っているとイルカのショーが始まるとアナウンスが入った
場所も近かったので私達は行くことにした

『ママはやくいこ！』

「ちょっと走らないの！」

言うことを聞かないで走る〇〇

歩き疲れ追いかける体力が無い私の代わりに

稜「俺追いかけるよ」

そう言って稜雅が〇〇を変わりに行ってくれた

しばらくすると稜雅が私の元に戻ってきて

稜「…ごめん…見失った…」

息切れをしながら申し訳なさそうに言った

「…稜雅は迷子センターに急いで行ってアナウンスしてもらって、私はその間探しとくから」

そう言い残し私は全力で走った

「〇〇！〇〇！」

必死にそう呼び続けた

少ししてから迷子のアナウンスが聞こえた

〇〇の事だった

稜「A！大丈夫？」

見つからないかもしれない不安

稜雅が急いで迷子センターに行ってくれて、
そしてまた急いで戻って来てくれた事に

涙が溢れて力が入らず座り込む

稜「迷子センターで待とう…こんな状態じゃ探せないから…絶対近くにいる人居るから大丈夫だよ」

しゃがんで私の顔を覗き込み背中をさすりながら
落ちた口調でこう言ってくれた

「…ありがとう」

稜雅は私を支えながらペースを合わせ歩いてくれた

迷子センターに着くと…

『まま！』

「〇〇！」

〇〇は既にいて、私は〇〇を抱きしめた

『こわかった…』

「ごめんね…見失っちゃって…けど走っちゃダメだよ？」

『はい…ごめんなさい』

私の首に埋めていた〇〇の顔を離し手で微笑みながら涙を拭いた

〈すみません、お母さん〉

急に警備員らしき人に話しかけられた

「…はい」

〈少しお話しいいですか？〉

「はい、稜雅〇〇お願い」

稜「…あぁ」

戸惑いながら答える

私は別室に移動させられた

そこで見たのは…

「……えっ！小笠原さん！」

〈ご存知ですか？〉

「はい」

〈この人が泣いてる〇〇ちゃんをどこかへ連れて行こうとしていたみたいで〉

「…えっ」