43 金色の島 ページ44
「この髪飾り、ロビンさんに貰ったんです」
「ああ、似合っている」
「それで、あの、アメジストって素敵な意味があるんですね！私初めて知りました！」
「…？そうか」
「こんな綺麗な服まで貸してもらって、メイクまでしたんです。なんか、凄いですよね」
「……」
「この姿、誰に最初に見せるかって、ロビンさんが、あ、サンジさんの受け売りらしいんですけど」
「A」
「はっはい？！」
不味い。一人で喋りすぎてしまったらしい。
「つまりテメェは何が言いたい」
そうだ。言わなければならない
「……私、ローさんのこと、」
バタッドタドタドタッ！！
「？！何？！」
「てってへぺろ…ごめん…気になって…」
見張り台にいるルフィとゾロ以外の皆がドアからなだれ込む。
ナミはあちゃーとおでこに手を当てていた。
「み、見てたんですか？！？」
「チッ……！！！」
ローが凄まじい舌打ちをして皆を睨みつける。
流石の麦わらの一味でもタジタジだった。
「はァー……まァいい。夕日がそろそろ落ちるぞ」
「わ、本当だ。何度も見たことありますけど、綺麗ですね」
船の上から見る夕日も乙なものだ。
水面にキラキラと反射する光が眩い。
「A」
「ん？なんです？」
「ブルネットアイランドは通称黒の島と呼ばれている
…だが、この瞬間、この島は金色の島だと言えないか」
「え？」
海に沈む夕日から、後方の島へと目を向ける。
オレンジ色の夕陽が白い岩肌を照らし、まるで
「…金色だ」
金色の島も、黄金の国も、何も幻想ではなかったのだ
夕暮れ時だけ訪れる色。黄金の国たる所以。
後ろから、やーん！ロマンチック〜！！などと声が聞こえるが、もう私には何でも良かった
「ローさん」
「どうした？少し妄想が過ぎるか？」
「いえ、いいえ、私ローさんのこと好きです！」
言い出したら、もう止まらないと思う。
「この姿、ローさんに一番始めに見せたいと思いました！
これは曰く好きだということと知りました！
私は、私はあなたが好きです！！」
言い切った！と息をつく。
悔いはない！
「…あぁ、そうか……」
ローは何かを噛み締めるようにして俯く
「ローさん…？」
「悪い。こういう時、どうすればいいか、おれは知らない」
そんなの、そんなの私だって同じだ
なんだよ！余裕気な顔して！
ローも恋愛初心者だったのかよ！と私はむくれる
…それどころじゃない人生、だったからだ
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作者名：ヤソップ | 作成日時：2021年2月13日 10時
